ぷかしりまる

ヤノマミ ~奥アマゾン 原初の森に生きる~のぷかしりまるのレビュー・感想・評価

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現代もこのような生き方を続けている人がいるのかと、驚きながらも興味深く見られました。色々な人におすすめしたいです。

介入なしで事実をそのままに撮ろうとすると心がける点でメイスルズ兄弟を彷彿とさせるドキュメンタリー。それでも製作者の編集が加わっているし、当たり前だがカメラを向けるという時点で事実をそのまま撮ることはできないと実感した。かつて原一男は「カメラの前では誰もが演技をする」と語ったが、この作品ではカメラに向かって説明する少年が、カメラマンが沈黙しながらも少年にカメラを向け続けた結果、照れくさそうに決まり悪そうにしていた。

生まれてきた赤子を葉っぱにくるみ、シロアリに食べさせて精霊に戻すか、人間として共同体に迎え入れるかという決断を下すヤノマミの掟。
ただ前近代の日本も、ボアソナードが堕胎罪を制定するまで、生後7日の赤子は「戻しますか、生かしますか」と産婆に問われていた。そのことを知っていたので、怖いし嫌いという感覚よりも共通点を感じるようだった。