【 映像、音楽に惹き込まれる99分 】
芥川龍之介の小説「藪の中」を1997年に映画化した作品「Misty」も今となっては貴重な作品。ストーリーは黒澤明の「羅生門」に寄せているが、当然羅生門は出てこない。全編屋久島が舞台。
美しい屋久島。
美しい撮影。
美しい音楽。
美しい豊川悦司。
美しい金城武。
美しい天海祐希。
どれか、ひとつでも関心があれば満足できる作品なのだと思う。個人的に特に映像がつくる美しき世界観が好きだった。
映画の企画と劇伴の担当は三枝成彰。
映画の演出は三枝の弟 三枝健起。
そして屋久島の光、水を、緑、を本当に見事に捉えた撮影は行定勲、岩井俊二作品でも評価されている篠田昇。言ってみれば、三枝兄弟と篠田のチャレンジ精神に溢れ、結果映像(光と影)と音楽(テーマ曲 迷霧)が突出した映画だと思う、因みにオーケストラ指揮は大友直人。MVのようにも感じるR15指定作品。