パトリック

ラブホテルのパトリックのレビュー・感想・評価

ラブホテル(1985年製作の映画)
3.8
山口百恵の楽曲が夜の囲気を印象的

切れた電話に泣きながら話し続けるシーンは、 一方的な感情の吐露として効果的な演出であるなと感じた。

濡れ場のシーンに関して、冒頭の束縛されている場面が最も激しかった。 一方でラストの濡れ場は同じラブホテルの一室であるのにもかかわらず、 動と静の対比がなされており、 2人が映画を通してどう変化したのかを示す役割がなされていた。

エンドクレジットの階段のシーンは突然、 桜吹雪が舞っていて、 あまり現実的な演出ではなかったが、 それがかえって、フィクションとして映画を閉幕する印象なカットであった。

個人的には波止場での長回ルのシーンが好きだった。 カメラワークが広く、 ロケーションの場所も特殊 で、 足場の悪い場所で話す二人のおぼつかなさが、 話す内容にも相互関係を与えていて、 不安定な二人を演出していた。