ぽー

チョコレートドーナツのぽーのレビュー・感想・評価

チョコレートドーナツ(2012年製作の映画)
4.8
「アデル、ブルーは熱い色」に引き続き同性愛作品。と言っても、両作品に共通していることではあるが、同性愛だからと異常さを無理くり引き出した安っぽい作品ではなく、人間の愛についての共感を奮い起こす出来となっている。

名誉やプライドへの執着に溺れた大人たちが間接的に引き起こした静かで寂しすぎる殺人ともいえる事実をもとにしているとのことだが、何をするか、何を主張するかではなく、誰がするのかにより偏見にとらわれ、醜態を晒す様は本当に不快極まりない。
互いを自身にとっての光とし、求め合っていたルディ、ポールとマルコを引き離した道徳的倫理的罪は大きく、ラストで人知れず命を絶ったマルコのことを知り間抜け顏を披露するシーンでは悔しさと怒りとやるせなさに襲われた。

遠い国に住む 魔法使いの少年 マルコのハーピーエンディングストーリーのように、クレジットが流れてもスクリーンから目を離せず、チョコレートドーナツを頬張りながら笑いかけてくれるマルコを期待せずにはいられなかった。
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