毛玉

チョコレートドーナツの毛玉のレビュー・感想・評価

チョコレートドーナツ(2012年製作の映画)
4.4
天才の脚色

まだセクシャリティーについて、そして人間の尊厳についてのリテラシーが低かった時代のアメリカ。
ゲイバーで働くドナテロは、イケメン弁護士のポールに出会う。
正義感と信念のあるドナテロは、同じアパートの少年マルコと仲良くなるが、彼の母親が薬物所持で逮捕されてしまい、彼を引き取ろうとする。

実際にあった同性愛者の2人と、彼らに引き取られた少年を元に、素晴らしい大胆な脚色を加えて映画に仕上げられた本作は、絶対に好きなのは確定しているのでむしろ後回しにしていた映画でした。
パートナーが本作が好きということで見ましたが、いやあ、良いですねえ〜!
出来事をシンプルに伝える、テンポの良いストーリーテリングの中に、メインの3人の演技が光ります。ドナテロが可愛いし、かっこいいし、大好きでした。
そんなドナテロに感化されて世界を変えようと動くポールも、またいいキャラでした。

本作の終わり方で賛否が分かれるところがあるかと思いますが、僕は圧倒的に賛です。まず、実際には、本作のエンディングのようなことは起きていないのに、映画のために変更した、という点が素晴らしい!
映画の力を使って「世界を変えよう」という意識がめちゃくちゃ感じられました。

ドナテロの歌う歌もどれも素晴らしいです。とにかく僕はドナテロのファンになりました。
100分ほどの上映時間で、とても感動させられました。これからもパートナーのオススメ映画に触れていきたいです。
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