おさわ

チョコレートドーナツのおさわのネタバレレビュー・内容・結末

チョコレートドーナツ(2012年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

制度の穴から落ちた罪のないたった1人の子ども。周りにはたくさんの大人がいたはずなのにそのほとんどが彼を守れなかった。
彼が亡くなったという新聞記事を送ったってシーンで、裁判長とか検事官の上司の人とか法廷弁護人とか、次々にいろんな大人がうつってて、ものすごい無念さを感じた。
意識的なのか無意識的なのか、ゲイという偏見が邪魔して子どもの最善の利益を考えることができなかった。

法廷で裁判長が話してた、「同性愛を隠さないことが当たり前だと思って育ってしまう」って言葉、一生納得できひん。これこそが偏見の現れやなって。


ルディが電話で「必ず連れ戻すから」って話したのに対してマルコが「約束?」って聞き返してて、最後のルディの歌の中にも約束って言葉が出てきててさらに悲しくなった。

ポールが送った手紙の中に「マルコはハッピーエンドが好きでした」ってあった。マルコ自身がハッピーエンドで終われなかったのがとても悔しい。それも彼のせいではなく世間や周りの大人のせいで。

母親と暮らす家に着いた時、マルコが「ここはうちじゃない」って言い続けてたのも悲しかった。


原題が「any day now」なのに対して邦題が「チョコレートドーナツ」になってるのがなんか不思議。
でも原題の直訳よりもこの邦題の方が好きかな。
おさわ

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