「マイノリティに対しての過酷な試練」
同性愛に対して差別と偏見が強く根付いていた1970年代のアメリカ。
実話ベースの映画。
育児放棄された子どもと家族のように暮らすゲイカップル。
歌手になることを夢見てショーパブでダンサーをしているルディ。
正義のために弁護士になったポール。
麻薬中毒の母を持ち愛情を受けずに育ったダウン症の少年マルコ。
そんな三人に訪れたつかの間の幸せ。
その寄り添う姿は本物の家族のようだ。
同性愛者というマイノリティを隠さず、ありのままの自分を生きるルディー。
対象的に自分を隠して生きるポール。
そして天真爛漫なマルコ。
そして3人に待ち構える過酷な試練。
「血の繋がりか?心の繋がりか?」
自分的にこの映画は是枝監督の「万引き家族」に通じるモノを感じた。
「万引き家族」の家族は社会からあぶれた集合体だった。
彼らに血の繋がりはない。
でも家族以上の絆で結ばれていた。
彼らを引き離した法律という正義は果たして正しかったのか?
そんな事を考えさせてくれる映画だった。
この映画はゲイのカップルと育児放棄された障害児の少年という
マイノリティーが中心に描かれている。
彼らの中に芽生える真の愛情。
それを引き裂く司法という正義の矛盾。
人生にとって大切ものは・・・
血の繋がりなのか?それとも、心の繋がりなのか?
「自分を生きる」
ルディーの生き方が人間的にカッコいいと思った。
人の目を気にせずに自分のをさらけ出して夢を追う姿。
マルコに対しての無条件の愛情。
「自分を生きる」その姿に感動した。
一番偏見の眼差しで見られているルディーが
一番偏見の無い世界を見ていた。
自分なんて利己的で、
周りの意見を気にして、
なんとなく合わせて生きている。
いつもじゃないけど、そんな時もある。
そんな時はどちらかというとポールに近いかもしれない。
そんなことばっかりしていると、本当に自分が何をしたいか?まで見失ってしまう。そんなふうに思った。
一度きりの人生。
自分を生きる大切さ。
そんなことを教えてもらった気がする。
とてもいい作品だった。