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フルートベール駅でのおのレビュー・感想・評価

フルートベール駅で(2013年製作の映画)
4.4
2009年元日。フルートベール駅で無抵抗の黒人青年を白人警官が射殺した。
黒人青年はうつ伏せで、両手首には手錠がはめられていた。

冒頭、実際に群衆が撮った映像が流れ、当時のニュースが脳内で蘇った。
誰もが一度は目にしたニュース、不条理で、悲しく、悔しさばかりが残る。

亡くなった青年には前科があったが、うまくいかない人生をやり直そうと決意した心優しい父であり、恋人であり、息子だった。
亡くなるまでの最後の一日を描くことで人間1人の命の尊さが痛いほどに突き刺さる。

結末を知っているからこそ、娘との最後の鬼ごっこも、恋人との最後のダンスも、母親との最後のハグも、直視できない。
そして、結末を知っているのに、こんなにも救われてほしいと願い、叶わない。
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