餅太郎

プリズナーズの餅太郎のレビュー・感想・評価

プリズナーズ(2013年製作の映画)
4.0
『プリズナーズ』囚われし人々。
敬虔なキリスト教徒である父親と(真面目で柔軟性に欠ける)、フリーメーソンの指輪に十字架の刺青、そして名前がロキの優秀な刑事。これは宗教色の強い映画ですと冒頭からハッキリわかるスタート。
特筆すべきは、知らず知らず引き込まれて印象付けられるそのカメラワーク。音も色合いも温度さえ加わって、思い出す度に重苦しくのしかかる。登場人物の設定も演技だってもちろん凄い。

何年経っても忘れないあの重苦しさ。

父親の暴走を自分はどう感じるのか、犯人についての考察が目まぐるしく変わる中で、誰について正しいと感じ、誰に対して憎しみを覚えるのか。正義感や倫理観、自分なりの常識と思い込み。
などと考えている自分こそ、
実はこの映画に囚われているではないか....

何年か経ったらまた見ようと考えていたのに、なかなか2回目が見られない映画。

畏れなのかな。
餅太郎

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