小さな田舎町で発生した少女誘拐事件を巡るサスペンス映画。
娘を誘拐された父親の切実な思いが、やがて狂気へと変貌していく過程に胸が詰まります。父親を演じたヒュー・ジャックマンは本当に見事で、分別を失った獣のようだった。
ジェイク・ギレンホールは相変わらず、彼の出てる作品にはハズレがないことを認識させてくれる存在感。ヒュー・ジャックマンとは悲しい対立構造に陥ってしまいますが、男同士の矜持がぶつかり合う様は哀しくも眩かった。
脇を固めるテレンス・ハワード、メリッサ・レオあたりも抜群。中でも容疑者として浮上するポール・ダノの怪演は忘れがたいです。
サスペンスとしての完成度もさることながら、人間ドラマとして非常に一級品だと思います。
大切なもの、信じているものの為であれば、人間はいとも簡単に過ちを犯してしまう生き物だということを思い知った。
