にいにい

プリズナーズのにいにいのレビュー・感想・評価

プリズナーズ(2013年製作の映画)
4.5
こういった作品はミステリー、サスペンス、ホラーの3要素が程よい程度に混ざり合ったものが好みなのだが本作はドストライク。150分という長尺を全く感じさせない傑作だった。

愛する娘が失踪、頼りにならない警察、それなら俺が…ここまでは予告やらで何となくこういう感じの話かなと予想していたがこんな重厚な物語とは思わなかった。息つかせぬ展開に心を掴まれ、気づいたらこの映画に囚われていた。

この映画を語るときに背景にあるキリスト教を無視すること出来ないだろう。自分はキリスト教徒でも詳しい訳でも全くないが、神と悪魔の構図は見て取れた。熱心なクリスチャンであればあるほど、違うものが見えるのかもしれない。

そういう背景を抜きにしても本作は映画として素晴らしかったと思う。2時間半の長尺を感じさせず、常に物語に引き込む脚本の上手さはもちろん彩度を抑えた映像、カメラワークも見事。キャストの演技も良かった。ヒュー・ジャックマンはアメリカの片田舎の無骨なマッチョにぴったりだったし、ポール・ダノはもう完璧。暗闇に映る彼の瞳はトラウマもの。刑事役のジェイクも空回りだったけど物凄くカッコよかった。あと名前は知らないけど、第二の容疑者となった蛇男のルックスがもうダメ、見ていて不安になるあの感じ、たまらんです。

この映画の終盤のドライブシーン、近年というか映画史に残る美しいドライブシーンだったと思う。あの美しさだけでも観る価値があると思うので是非に。
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