菩薩

プリズナーズの菩薩のレビュー・感想・評価

プリズナーズ(2013年製作の映画)
3.9
「神はいる」との当たり前の嘘に囚われた人間が突き進む愚行。神ないしその声を聞き人々に伝える者達は、そうでない者達の心の中に巧みに恐怖を植え込み操ろうとする。祈れども祈れどもその恩恵に与れない者達は憤りを募らせ、遂には爆発し凶行に走っていく。神の名を借りた赦しと裁き、神の名を冠した争いは止むことが無く今日まで続き、おそらくこの先も永遠に続いていく。目には見えず、耳には聞こえず、嗅ぐことすら出来ない神の存在、天使は口を閉ざし、迷い人は更に迷宮の奥へと誘われていく。この物語の争いを「終わらせる者」は、その指に友愛の印を嵌め、人間的な嗅覚・視覚・聴覚を最大限に活用する。世界の終末を知らせる黙示録のラッパ吹き、神がもし実在しており、彼が神に選ばれた人間なのであれば救われるのであろうが、あの悪魔の形相を忘れられる筈など無い。信心深さと妄信の境界線、それを踏み越えてしまった人間の姿、悪魔は最早復活すら望まない。

にしたってムッキムキのギレンホールがシャツのボタンを一番上までしめてる感じが何よりも「囚われし者」感出ていて苦しそうだった、銃の構え方がかっこいいすね。
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