牛丼狂

雷魚の牛丼狂のレビュー・感想・評価

雷魚(1989年製作の映画)
4.0
オリジナルフィルムでの上映。
南野陽子を流しながらフィルムカメラでゆらゆらと揺れるだけでこれだけ画になる、映画になるというのが信じられない。自転車三部作に通ずるカメラの切り返しが散見される。理屈なんてものはおそらくなく、イメージのシーンの積み重ねで構成されている。理解するというよりは感覚に直接的、暴力的に訴えかける。
女も女で小学校に乗り込んだりと気狂いなのだが、そんな女が心配するほど男がプールサイドで頭おかしくなるところはなんだか寂しさで泣きそうになる。あえて言語化するのならば、実態のない魚ちゃんにしか希望を抱けない孤独みたいなものを感じた。
美容室のカメラに向かって話しかけるメタフィクショナルなシーンはさすがに置いていかれた。
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