JIZE

ジュラシック・ワールドのJIZEのレビュー・感想・評価

ジュラシック・ワールド(2015年製作の映画)
5.0
暫定ベスト入り即確定!!原点回帰で無類の最高傑作!!神聖な続編第4弾!!裏概念は人類側の見識堕落による怠慢な潜在意識!!開幕2分で22年前の第1弾『ジュラシックパーク(1993年)』の走馬灯が甦り感動と興奮の波が連続で押し寄せた。製作陣の偉業に脱帽。今作は前作『ジュラシックパーク3(2001年)』から約14年の歳月を経ての続編が実現。再起動の確立で過去作との関連をほぼ白紙に戻す製作陣の潔い挑戦欲にも改め賞賛。まず,シリーズ時系列では第1弾『ジュラシックパーク(1993年)』の包括的な枠組みを部分踏襲。主な継承内容①イスラ・ヌブラル島の舞台設定②主任遺伝学者ヘンリー・ウー博士の役柄続投③財閥ジョン・ハモンド銅像④DNA解説担当のミスターDNA⑤羊を餌に恐竜を誘き寄せる描写⑥他,埋立地に残る第1弾の建造物等。長期的なファンサもテーマパーク内で随所に垣間見え隠れミッキーを探す感覚で映画体験の回を追う毎に進化し充実。3D効果及びハイブリッドなVFXの撮影技法も多額の予算を費やしたみたいで映像を観てもリアリズム体現に頷けます。勿論,ジョンウィリアムス作曲の輝かしき名曲「Welcome To JurassicPark」のメインテーマ曲も劇中で多用され余す事なくシリーズ通じ進化の域を音楽性共々楽しめる総括的な余韻も。シリーズの総括的なテーマ"人と恐竜との共存"を分厚く継承しつつも過去作を遥かに凌ぎ更にコンセプトの具現化を追求する新境地かつ再起動な"観客を楽しませる"リブートに相応しい伝説の作品。大まかな今作のテーマは強欲な大人達が勝手に創作し維持し続く遺伝子研究の怠慢な概念を根底から潰し本来のテーマパーク像であるシンボルを様々な視点軸から取り戻す過去作の惨劇を改めて見つめ直し釘を打つ原点回帰のお話です。

また今年7月に『ジュラシック・ワールド』が全世界興行収入15億2200万ドルを記録し『アベンジャーズ(2012年)』の記録を上回り歴代第3位記録を樹立したのも鑑賞後に納得。正直第1位『アバター』や第2位『タイタニック』より出来栄え考慮し最高に思え記録踏破も既に秒読み段階にすら思う。今後もジュラシック旋風がUSJの2016年の新ライドアトラクションや続編共々盛り上がりネットワーク拡充を込め新たなフェーズに拍車が掛かります。

概要。お話の縦軸は巨大テーマパーク"ジュラシックワールド"を舞台に,遺伝子操作により生み出された新種の最強恐竜が脱走し人間や恐竜を襲う様を緊迫感たっぷりに描く,とニュアンス的には過去作の展開を孤島から広大なテーマパークに差し替えた外枠。また,スティーブン・スピルバーグを製作総指揮に迎え生み出す世界的大ヒット作の第4弾。監督は『彼女はパートタイムトラベラー』を務めたコメディ畑出身のコリン・トレヴォロ。第1作目の低予算映画から今作への飛躍は単純に手腕含め凄過ぎます。主演は『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』で主役を務めたクリス・プラットや『エクリプス/トワイライト・サーガ』主演のブライス・ダラス・ハワード。他多数、著名人が名を連ねてますね。恐竜たちの種類も"ワールド"だけに過去最大。

では今作結論部を述べれ,恐竜たちとの価値ある共存意義を過剰な利益追求の為に概念基盤を誤操作し稀少性を意図的にも削ぐ怠慢な人間達の堕落する潜在意識。人間達を斜に掛け未熟でグレイな対象として描き切る歪み故の穿った逆説構成に過去作を凌ぎ新境地を生み出す魅力箇所に思えた。要は諸悪の根源であるシリーズ第1弾『ジュラシックパーク(1993年)』の原点回帰を映す核心部に全ての凶悪な問題が集約。第1弾でパーク開業が隠蔽に追いやられ悲劇的な殺戮事件が科学界での汚名として名を刻む訳だが,その絶望的な反省を,遺伝子研究を操作する学者(関係者)側が一切反省を活かせてなくシリーズ全体像の紛いなき核心部に立ち返る根源的な問題に思えた。恐竜との共存意義を運営資金の糧と目論み目先の利益に囚われる強欲な学者側が科学技術の類稀ない進化を負の方向に操作し遺伝子研究の概念を破滅的にも暴走させる事から"恐竜"なら"最強怪物"を生み出した事で今作の問題提起に直結。要は2種以上の人工交配で恐竜を創作し偽りの遺伝子研究を存続する行為自体に輝かしさは完璧に抜け落ち昔のテーマパークに秘められた人間と恐竜とが同等に扱われ共存関係を取り戻す過程に今作の分厚いカタルシスが内包したようにも思う。強欲な学者側が生み出すその最強恐竜インドミナスレックスを問題提起に掛け合わせ恐竜たちの稀少(保存)意義を問う今作はテーマ性の内包が過去作よりも飛躍し特別な指標に思えたから。人間が望む欲は時に文明や関係性を破滅に追い込みストッパーがぶっ壊れる前に誰かが気付きその行為を静止させなければ人間や恐竜関わらず悲惨な状況下は回避出来ない事を今作を通じ安易的だけどズシンッと響いた。日頃の協調やコミュニケーションの大事さが伺えます。

また本作で"悪"と認識される表面上の媒体は遺伝子研究に立ち会う学者側だが,裏概念では現代社会に通づる傲慢で倦怠な来場者側。要はこの作品を鑑賞する観客の我々に思えた。日頃から普遍的で習慣に対し循環化する我々の日常。刺激的とは決して言い難い法則的な流れに導かれるよう慣れ親しむジュラシックワールド"での恐竜観賞に対しても観客目線での新鮮味は日々削がれ恐竜達の存在意義に対する興味も日々削がれてる。日頃から慣れ親しむ安全区域と予測不能な外部空間からの察せれる対比。平凡な日常にもある日突然,危険区域になり得ない危機感が潜む事を監督は暗喩にも映画内で濃く訴えたかったんじゃないかな。特に過去作より今作は毎日約2万人以上の来場者が集うテーマパークとして題材を濃く示す分,気持ち的にも科学操作が齎す危機的な警鐘を内包する意図は濃密に感じ得た。この作品..結構メッセージ性も分厚いです。全てを読み解く事は日常に潜む貴方自身の些細な精神次第。既存的な由緒あるモノを大切に敬い日頃から敬意を払う最低限の精神はどの時代にも必要で決して忘れてはならない事をこの作品から授かった。内容及びメッセージ性の濃さは時代が変容し価値観がいくら推移しても第4作目にして全く色褪せてませんでした。

物語の些細な偏差でも❶各人物面での密接な関連(物語性)が比較的今作は恐竜側に軸を置く過去作とは対極な構成の為,正直弱い。特に主役オーウェンとクレアの関係構築に至る馴れ初め起因。グレイとザック兄弟の恐竜に惹かれる具体的かつ根源的な理由。2人の気質が対極的な設定は賞賛。悪側のインジェン社ホスキンスやインジェン社の億万長者であるマスラニの協調しない妙な嫌味。第1弾から続投のヘンリー・ウー博士も諸悪の根源を演じるも作品全体に響く右往左往は皆無で続編に対する布石⁉︎にすら思えた。

❷閉鎖や孤独漂う隔離空間の中で餌のみを綱に飼育され続け無惨にも最強恐竜に変貌を遂げる最強恐竜インドミナスレックスの歪な存在意義も現代社会の人間に投影させ練れば人は産まれながらに誰もが当初は孤独を背負い1人だが日々成長を追う毎に誰かと協調し助け励まし合いの快活な精神を抱きながら己を飛躍させる動物だってメタ暗喩を安易的にでも対極にあるこの恐竜を対象に鏡像関係を絞り実験的にでも観客にその間違った生き方の顛末を映画内で鋭く伝えたかったんだと思う。インドミナスレックスは終盤ラプトルを味方に付けようと身の丈に合わない協調を図るがその信頼関係は身を結ばず終焉。何故なら彼の本能は恐竜でなく怪物そのもので共存関係の域を脱してたから。だからラプトル達が友好的なオーウェンを選ぶ意図も納得。恐竜同士が争う身内合戦も全体的に光景が痛々しく全て学者側の過去の反省を活かさぬ罪です。動物界での食物連鎖を煽るヒエラルキーな階級制は境界線上の限度を脱すれば当然破滅を招くって比喩だと思います。その裏付けがクライマックスでファンサ含め明確に描写されてるので未鑑の方は是非。シリーズファンなら唸るカタルシス連発です。

❸オーウェンがラプトルを調教出来る特殊設定も過去作を通じグラント博士やマルコム博士と能力上の一線を凌ぎ見事な個性付けに思えた。過度に非常識な人間が劇中に存在させてない構成も今作は恐竜側に軸点を据えてる為に納得。

❹恐竜達の暴走による大量虐殺で無罪な人間が次々に葬られる演出もやり過ぎ感が否めずも全体的に辛辣な雰囲気には仕上がらずコメディ調でドサドサ続く為,正直唖然だが爆笑出来る範疇です。スピルバーグが製作総指揮を務めコメディ畑出身の監督だからって影響もあると思う。

最後に悪因を挙げれば過去作との関連深い重要キャラを再起動を意識してか劇中内でヘンリーウー博士以外に登場を果たさない箇所。グラント博士やマルコム博士の栄誉ある歴史を回想的にでも切り取り拝みたかった。ジョンハモンドの石像なんてあんま興味ないよ!と。あとそもそも中盤で兵士が用いたロケットランチャーをアイツに上手く命中させぶちかませばこの悪夢の懺悔って初段階で回避出来たんじゃね⁉︎とか。最強恐竜に付けてた追跡装置の腑に落ちない弁解も同様。あと食物連鎖の連なりを俯瞰的に否定してる今作のクライマックスでモササウルスがアレする下りって結局は弱肉強食を肯定した風にもどさくさ紛れに解釈として享受出来る。最強恐竜の最強説を劇中で唱える上で歯が88本制約の下りも理論的に説明過少でした。インドミナスレックスの暴走を皮切りにパーク内の恐竜たちが凶暴化しだす負の連鎖の描き方も割と矮小化された流れというか実際暴走してたのもプテラノドンが目立つのみで種類的にあまり活かせてない印象を受けた。

従い,続編製作が概に決定済な次作の脚本の方向性があの悲惨な終幕の仕方じゃ物凄く未知で期待!!!客達が逃げ果せ閉園後のテーマパーク内で鳴り響く不謹慎で高揚的なアナウンス音と現状で巻き起こってるオーウェン達の焦燥との場面対比も素晴らしい。インドミナスレックスの襲来からオーウェンがオイルをかぶり匂いを消す外連味も知能的で粋。360度旋回するジャイロスフィアがインドミナスレックスにガラスを突き破り襲われる第1弾オマージュも最高。ティラノサウルスが大声で吠える"あの描写"の解釈では傲慢で倦怠な来場者及び強欲な学者に放つ警告にすら感じまさに原点回帰に相応しき終。私自身,今作を吹替え鑑賞で挑みましたが,マルコム博士の声優がインド商社の億万長者であるマスラニ役を務めてたのでファン目線で凄く唸りました。ジュラシックワールド存続の鍵を握る次作の続編公開日に淡い想いを乗せあと何年..何十年待つか定かでないですが寛容な気で待機たいと思う。今年の夏に観る映画を決め兼ねてる方。残虐映画を敬遠されてる方。躊躇無く今作をお選び下さい。貴方の想像を遥かに上回る感動と興奮の最高峰なエンタテインメント世界が貴方の来場をお待ちしてます。スピルバーグ!続編実現を本当に有難う!本気でワールドを楽しませて頂いたよ!最高です!!創始者ハモンド及びインジェン社を悪であり敵前提でお話が進む構成に過去作を踏まえ1番目新しさを抱いた。見逃せない今作!是非劇場で,お勧めです!!!
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