お洒落コメディ映画。音楽、演出、ファッションがいい。ほのかな非日常感がふわっと漂い、ピュアなシモンの独自の世界観とマッチしていた。
この作品はシモンと世の中とのギャップが面白い。彼は日々のルーチンに物凄く執着し自分を保つ事に必死だが、小さな問題でも起点が全く効かない様子。理路整然という訳では無く、彼独自の論理で物事が廻っている。そしてど直球な発言をしては失敗し、ドラム缶の中の仮想宇宙空間に閉じこもってしまう。そんな弟をほっとけないお兄さんが幸薄なキャラで物凄く好感が持てる。アスペルガーという難しい題材だったが、笑えるし思いやりが感じられるハッピーな作品。そういえば最後のシーン、シモンが笑う直前でエンドロールが入って、それまでシモンは作中で笑ってなかったな…と気付かされた。
