「５万回斬られた男」の初主演作、と聴いただけで、何か熱いものを感じるじゃありませんか。
廃れてゆく時代劇、それにともない居場所をなくしてゆく「斬られ役」への、
愛情と敬意がたっぷり詰まった作品。
脚本に意外性はありませんが、殺陣のシーンがとにかく見事で、
稽古のシーンでは張り詰めた空気が伝わってくる。
終盤、夕日をバックにした稽古シーンは、狙いすぎと思いつつ、とてつもなくかっこよかった。
斬られ役のプロ・福本清三の、人生が刻印されたような味わい深い表情。
ヒロインの山本千尋も、目ヂカラがあっていい。
『バトル・ロワイアル』で柴咲コウを初めて観たときを思い出した。
大ヒットするような作品ではないかもしれないけど、
誰にでもわかりやすくて、心揺さぶる作品だと思います。
上映館が少ない（上映回数も少ない）のがもったいない。
もっと長く観たい、と思った映画は久しぶりです。
本家『ライムライト』は５００円DVDを持ってるけど観たことなかったので、
この週末に観てみようと思う。
