「五万回斬られた男」福本清三さんの生き様と、時代劇の盛衰を、チャップリンの『ライムライト』を下敷きに描いた作品です。
一番の観所は何か?
福本清三さんの漢前っぷりです。
普段はとても謙虚な方なのに、殺陣や演技の時の「漢」な感じ。背中や佇まいが語るもの。
いっそサイレント映画にしても良かったのではないかと思います。
ヒロインの山本千尋さんも美しく凛としていて、殺陣のシーンも花があって素敵です。
チャップリン好きなら、随所に散りばめられた『ライムライト』のオマージュをニコニコしながら観ることができるでしょう。
日本映画に、日本文化に、こんな素敵なものがあるんだよと、世界に胸をはれる作品だと思います。
そうそう。『ライムライト』では、ラストでカルヴェロが舞台袖で死に逝くのですが…
それを知っていてこのラストを観ると、香美山さんがそのまま亡くなってしまったのではないか?と思えて…