くますけ

グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札のくますけのレビュー・感想・評価

3.8
彼女の演説を聞いて気づいた。
演説で説き伏せたわけじゃない。
むしろ生ぬるい。
でも彼女はそれを演じたのだ。
おとぎ話のなかの美しき愛の女神。
あれは攻撃じゃなく、バリアだ。

裏で裏切り者を陥れながら、そんな顔は微塵も表にせず、美しく微笑んで聖なる者となり、手出しをできないようにする。
女のやり方だ。
ひどいのとなんてしないわよね?
あなたを信じてるわ。
なんて笑顔で言えてしまう、女のやり方。すげー。

最後の演説をみてそう思えるのは、
それまでのグレースがとても人間味にあふれ、不満も不安も苛立ちも葛藤も苦しみも観てきたからだ。
本当は勝ち気で感情的だと知ってるからだ。

きれいなシンデレラストーリーだけじゃない。
巧みなサスペンスと生々しさと。
でも結局は美しさと強さに魅了されるんだけどね(笑)
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