Tepper

プールサイド・デイズのTepperのレビュー・感想・評価

プールサイド・デイズ(2013年製作の映画)
4.6
監督・脚本はプールのスタッフ役の2人。
最高の脚本とキャスティングだ。
サム・ロックウェルはもちろん、
アリソン・ジャネイ、トニ・コレット、マーヤ・ルドルフのなんでも出来る女優陣が流石だと思った。

これは少年のひと夏の成長物語。
でも彼の居場所自体は変わっていない。
彼が座るのは最初も最後もway way back (=“ワゴン車の3列目シート”) だ。後ろ向きで。

プールでのバイト、スタッフ達との出会いは彼の意識を変えた。
義父から10点中3点と言われて落ち込む彼に、パターンやルールに縛られず自分の道をゆけとオーウェンが諭すシーンには感動した。そして終盤で誰もなし得なかったスライダー追越しを成功させる前の根拠のない自信。
自信あり気に笑う彼に心が熱くなった。“攻略法”通りに生きるよりも自分の信じる道を進む方が価値のあることだ。

自分は他人から見れば10点中何点?
そんなくだらないことを考えるよりも、自分の思うままに行動し言いたいことを自信持って言おう。母との絆を回復させ、恋人ができ、プールで大歓声を浴びる彼を見て、そのことこそが人生を豊かにするのだと思えた。

帰路の車内、way way backにダンカンと同じ目線で見る母親が増えた。なんて最高な“前向き”なラストだろうか。

“Don't die wondering, man.”
Tepper

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