試写会にて鑑賞。今年で20周年となるディズニー/ピクサー映画。最新作の舞台は"頭の中"。ヨロコビ、カナシミ、ビビリ、イカリ、ムカムカの5つの感情がまさしく脳内会議し、少女ライリーの性格を形成していく。脳内会議といえば最近似たような映画が公開されていて少々話題になっていたが、頭の中の世界という設定は似ているものの、タイプが全く違うものだったので比べる必要もないだろう。
「モンスターズ・インク」「カールじいさんの空飛ぶ家」を手掛けたピート・ドクター監督が自身の娘の様子を見ていて思いついた話というだけあって、子供から大人へと成長する過程の心境の変化をリアルに映し出していた。
質の高い映像と内容でいつも楽しませてくれるディズニー/ピクサー映画。試写会会場は親子連れが多く目立っていたが、今作はちょっぴり大人向け。実際、母娘が隣に座っていて、母親は涙を浮かべていた。
醸し出す世界観は相変わらずすごい。形成された感情と記憶を玉にして表し、記憶を管理するカラフルな頭の中の世界は巨大なテーマパークを思わせる。夢を映画として映し出したり、空想の世界があったり、CMの曲が頭をリピートしたり、忘れてしまうできごとがあったりと、誰にも共通しているテーマだけあって楽しめる。特に、『ライリーのためなら死ねる』と豪語する理想の男子のシュールさと本当に有言実行するところが個人的にはツボで爆笑させてもらった。毎度毎度ディズニーのつくるキャラクターのセンスは素晴らしく、今回も空想上の友達として登場するビンボンという新たな愛されキャラが誕生していた。
始めは幸せだけがいっぱいに溢れていてそれが本当に幸せだったが、感情は人の誕生と共に生を受け、共に成長するんだということを伝えていた。カナシミも大切な自分を形成する感情のひとつであり、ヨロコビもカナシミもイカリもビビリもムカムカも、すべての感情が幸せとつながっていて、それが生きている証拠なんだと感じさせられた。それと同時に家族って大切なんだなぁ、親って大切なんだなぁとしみじみ感じた。
老若男女楽しめる映画。
『信じてライリー。明日はきっといい日になるわ』
さて今日はどんな夢を上映してくれるかな?(笑)