akazawa

インサイド・ヘッドのakazawaのネタバレレビュー・内容・結末

インサイド・ヘッド(2015年製作の映画)
4.9

このレビューはネタバレを含みます

A 20150719(吹替)
amd/3.D-16
完成度の高い映画だった!展開がスムーズでとても観やすく、各場面も内容が薄くならずに見応えがあった!
難しい題材であるが、感情の要素を玉として可視化し、それを用いたり、それが管理室?の外の世界でどう動いているかがしっかり描かれているので、人が物を忘れたり夢をみたりする時の様子(頭の中)などそのコンセプトがより理解しやすかったと思う。

ライリーの頭の中で、5の「感情たち」が現実の彼女の感情を表現させている様子にフォーカスするという視点は、非常に面白い。
その視点は脳内ポイズンベリーと似ているが、インサイドヘッドの方が面白く感じた。前者は脳内会議の5人の様子しか描かれていなかったのに対し、後者は管理室?の外の世界も描くことで5の「感情たち」の他にもたくさんの登場人物がおり、部屋に戻る過程でいろんな場面を楽しむことができた。また、インサイドヘッドの方は子どもであるライリーの頭の中を描いているので、葛藤というよりははっきりとした感情が表現されており、「感情」それぞれの役割がより明確な印象を受けた。会議という感じではなかった。

ライリーの感情の司令塔はヨロコビである。他の感情(カナシミ、イカリ、ビビリ、ムカムカ)はどちかというとネガティヴ要素であるので、ポジティブ要素のヨロコビが司令塔としての役割を担うのだと思う。
カナシミのヘマにより、管理室?にヨロコビとカナシミがいない状態になり、ライリーの感情のバランスが崩れる。しかし、ストーリーを通して、カナシミの存在意義や必要性が改めて感じられる構図になっていた。
ヨロコビは、途中までカナシミが特別な思い出に触れることを拒んでいたが、終盤にはその思い出の玉をカナシミに渡し、自らのおもいをカナシミに託した。託されたカナシミは見事にライリーを救ってみせた。ヨロコビは多分、落ちた底でみつけた悲しみの玉により、悲しみと喜びのつながりに気づいたからこそ、カナシミに託したのだろう。また、話の流れを踏まえると、ヨロコビとカナシミの髪の色を青で合わせていたのも意図した意味があるのだと感じた。
カナシミは本当にいいキャラしていたと思う!それぞれの「感情」の個性も出ていてよかった!ビンボンもいい味出してた。
忘却の底?でのヨロコビが回想するシーンは感動して泣けた!
笑える場面はいくつかあったが、1番印象深いのは、ライリーの空想上のボーイフレンドが出る場面。出てくるタイミングや「ライリーの為なら俺は死ねる」の言い方が絶妙で面白かった!そして、まさかその言葉が伏線になっているとは思わなかった。

本当は字幕で観たかったのだが、吹き替えでも十分楽しめた!素晴らしいファンタジー映画だった!
欲を言えば、本編が始まる前の、ドリカムの歌と何ちゃらのラブソングの20分間が長く、少しいらいらしてしまった。本編は間延び感を感じず、すんなりと観れていただけに、余計に蛇足な印象を持ってしまった(特にドリカムの歌)。歌が続くことを避け、ドリカムの歌を最後に回したり、流す歌を1番のみにしたりするなど何か工夫の余地がある気がする。

私の頭の中もライリーみたいな世界が広がっているのだろうか。そう考えて自らの感情を意識しようとすればするほど、冷静になってしまう気がする。感情の自発性は自分と「感情たち」のどちらに起因するものなのか。概念的に難しく、それを知る由もない。何言っちゃってるんだか笑
どんな感情も欠かせないものであり、それらが影響し合って、今の自分、自分らしさとなって表れている。自らの感情を大切にしていきたいと思ったし、それを生む経験をたくさん積んでいきたい。

とりあえず本当にいい映画だった!また観ようと思う(^o^)
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