おおおっ。思ってたのと違う。
けれど満足、満足。
前作「スカイフォール」は『サム・メンデス』>『007』というように監督サム・メンデスの要素が大味な映画007にちょろっと作家性を帯びることによってなかなか見応えある作品になっていた。
当然ながら今回も舞台演出のような光と影を意識させる深みのある007を期待するわけだが。
どーしたん?!サム・メンデスさん!!
サービスしすぎやん。
007を見続けたファンにはニンマリしすぎる「どっかで観たかな?」と想いをめぐらしすぎるオマージュの連打。
前回十分好きにやらせてもらったんで今回は皆様の007をお贈りしますと言ってるかのように。
その分、現代における悪の組織という興味津々の題材はあっさりとボンドに関係線引きすぎてヘッポコ具合をます。個人的問題で世界を巻き込んでたなんて。
ローマの悪の会議シーン。
シルエットを多様してサム・メンデス印堪能だが、影で浮かぶ人物の顎にしっかりクリストフ・ヴァルツを感じさせて笑える。
目付きの悪いブスかなと思わせるボンドガールのレア・セドゥ。
が、次の瞬間ふくよかなヨーロッパ美人を感じさせる。
この美貌の不安さがまた、サスペンスを生み、ブスか?美人か!の綱渡りの緊張感がアクションシーンよりもハラハラしてやみつきになりそう。
愛しの彼女にフラれた直後にラストバトルに挑むボンドとは少しアクション映画としては燃えないけど、ちゃかりラストへの引き立てだとは。
やりますね。
ガンバレルからマイネームイズボンド、ジェームズ・ボンド。
そしてマティーニの注文まで、これが007だろという今さらながらのダニエル・ボンドでみっちりと堪能できる映画でした。
本来なら20作目のリー・タマホリでこれぐらいやっとけよと。