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007 スペクターの2049のレビュー・感想・評価

007 スペクター(2015年製作の映画)
3.7
 ダニエル・クレイグ版ボンドの4作目。サム・メンデス監督は前作の成功もあり続投。前作で過去に決別し歩み始めたボンドに過去の亡霊が忍び寄る。
 
 アバンタイトルはボンドの美しい所作を写す長回しから倒れてくる建物を何とかかわす、落ちた先ではソファーでバウンド、何事もなかったように立ち上がる。今作は前作のようなダークな作品ではないですよ、という宣言に期待と不安を感じながら鑑賞。

 満を持して登場するスペクターだが、動機が前作のシルヴァと似通っているのが残念。スペクターの会議シーンで突然ブロフェルドが話しかけてきてボンドがぎょっとするというシーンは恐ろしく今作の中でかなり好きなシーンの一つだ。

 雪山での飛行機アクションもたまたま上手くいっただけ感満載のコミカルアクションで個人的にはかなり好きなシーン。マドレーヌが後部座席に乗ってるのに突っ込んでいくって、そらマドレーヌもブチギレるよ。

 今作はカジノロワイヤル以来の拷問シーンもあるが、過去一嫌な拷問シーンなのでは。あんなことしたら確実に障害残ると思うけど。
 
 今作はボンド映画らしいボンド映画となったが、やはりサム・メンデスの作家性は抜群で、リアルでありながらどこか現実離れした空気感がり魅力的。レア・セドゥが持つ雰囲気はは彼の作品にマッチしていると思う。前作ほどではないが今作も素晴らしい作品だ。
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