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007 スペクターのBoschのレビュー・感想・評価

007 スペクター(2015年製作の映画)
4.5
「カジノ〜」「慰め〜」で007が誕生し、「スカイフォール」で、M、Q、マネーペニーが登場、そして今回の『スペクター』で、敵味方全員集合の感がある。

初期のショーン・コネリー007に於いては、このスペクターが宿敵であると同時に悪の巨大組織で、今見ると荒唐無稽すぎて笑えるレベルであったが、今回はこれを膨大な情報を独占する組織として描く事で現実感を与えている。

さらには、ボンドの過去、ホワイトの過去と娘を結びつけてのドラマ展開は見応えがあって脚本の完成度が高い。
ワンカットで始まるオープニングシークエンスのアクションに始まり、スケールが大きく緻密な車、ヘリ、セスナを使ったアクション、常にユーモアと皮肉の効いたセリフの応酬、凝った映像、どこを取っても前作と遜色のない仕上がり。

唯一、少し残念だったのがラスト。
単純に見れば余韻があるのだがシリーズで俯瞰して見ると、また禍根を残しそう、と言う気がしてしまう。

これを受けて最新作はどうなるかな?
2作続けたサム・メンデス監督の力量が光っただけに監督が変わるのも気になるところ。
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