katsu

パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊のkatsuのレビュー・感想・評価

3.6
Jack…Welcome to back on the great ocean‼︎

全世界3700億ドルの大ヒットを記録した超ビッグタイトルの5作目が、日本の夏をジャック!

① 基本情報

【監督】ヨアヒムローニング/エスペンサンドベリ
(「コンティキ」「ナチスが最も恐れた男」)
【配給】ディズニー
【時間】129分

前作に続き、2度目の監督交代で新しい血が入りました!
2011年「ナチスが最も恐れた男」(名作!)がノルウェー国内過去最高動員数を記録し、「コンティキ」でアカデミー賞外国語作品部門にノミネートされた、ノルウェーを代表する映画監督、ヨアヒムローニングとエスペンサンドベリが今作でメガホンを取った。
この二人は、過去作品でも共同監督としてやってきた仲良しコンビです!


② 主要登場人物とキャスト

脇役がやや弱めだった4作目を踏まえ、今作のキャスト陣は豪華なメンツが揃った!
今作は、主演ジョニーデップの左右に若手俳優を二人従え、シリーズ原点の1作目のようなフレッシュな雰囲気に。
また、ウィル役のオーランドブルーム、エリザベス役のキーラナイトレイもチョイ役ですが復帰してくれました!

特別ゲスト(アンクルジャック役)のポールマッカートニーもまずまずの演技でしたよ!

《ジャックスパロウ:ジョニーデップ》

いわゆる「成長しない」主人公!
若干の「人情」と「強運」を頼りにストーリーが展開していくのですが、作品を追うごとにどんどんダメなオヤジに成り下がっていくような……
今作のだらしないジャックスパロウを見ていると、DV疑惑や借金で破綻気味なジョニーの私生活が少し垣間見えたような気がします…笑

《サラザール:ハビエルバルデム》

今作の悪役。
呪いによってアンデッドな生き物にされてしまったわけですが、毎回3時間かけて顔面の特殊メイクを仕上げるなど、まさに体を張った演技。
スペインを代表する俳優で、スペインのアカデミー賞と呼ばれる「ゴヤ賞」を通算6回も受賞している大ベテランです。
今作での存在感は抜群!

《ヘンリーターナー:ブレントンスウェイツ》

今作の若手イケメン枠。
ハリウッド作品では2014年に「シグナル」「ギヴァー記憶を注ぐ者」「マレフィセント」「ガンズ&ゴールド」などに立て続けに出演し、2016年「キングオブエジプト」で知名度をさらに上げるなど、役者人生として順調にキャリアを積んでいます。
バルボッサ役のジェフリーラッシュ同様、撮影地であるオーストラリア出身。

《カリーナスミス:カヤスコデラーリオ》

立体迷路でのホラーアクション「メイズランナー」シリーズでヒロインを務めて以来、2年ぶりのハリウッド大作への出演となりました。
気になったのは不自然なほど強調された胸の谷間…笑
「美女と野獣」のエマワトソンや「マグニフィセントセブン」のヘイリーベネットなど、男成分が多い映画での紅一点女性キャラは、例外なく胸の谷間が強調された衣装を着せられるのはハリウッドの悪い癖ですね……

《バルボッサ:ジェフリーラッシュ》

主演のジョニーデップ以外では、「パイレーツ」シリーズ全作品に出続けている数少ない演者。
今年で67歳になるベテランです。
1作目では「悪役」として出演して以来、仲間になったり政治家になったり貴族になったりコロコロ変わりましたが、今作で良い父親役を演じて優秀の美を飾りました!

《ウィルターナー:オーランドブルーム》

キーラナイトレイと同じく、今作で復活。
「ロードオブザリング」「ホビット」シリーズと並び、本シリーズが出世作&代表作であるのは間違いありません。
しかし年齢は重ねるものの美貌は薄れておりません!

《エリザベススワン:キーラナイトレイ》

今作でラストシーンに少し出演した際、セリフが一切なかったのは予算的な成約なのでしょうか⁉︎
3作目が終わった後、「もう出る必要性を感じない」と言い切って降板していった過去を考えると、よく出てくれたなぁと…
出演作品を絞り込み、今や「イミテーションゲーム」「アンナカレーニナ」など数々の名作で賞レースの常連になるなど、世界的な女優へと成長しましたね。


③ 結末までの簡単なあらすじ紹介

☆「ポセイドンの槍」を巡って出会ったジャックと仲間たち

ある真夜中、少年となったヘンリーターナーは、小さな手漕ぎ舟で大海原に漕ぎ出していった。
父、ウィルが船とともに沈んだ幽霊船フライングダッチマン号を見つけるためだ。
地図を片手に、船の沈んだ場所に到着すると、海の底から船が浮上するのを感じた。

ヘンリーは父、ウィルターナーと対面して、ジャックスパロウを見つけ出し、彼と共に伝説の「ポセイドンの槍」を手に入れて呪いを解くと誓った。

9年後、ヘンリーは大英帝国の軍艦の操舵手として働いていた。
この日、彼は、船が「魔の三角海域」へと向かっていることに気づいた。
この海域に囚われたら、永遠にそこから出てこれない海賊泣かせの場所だ。
ヘンリーは、無礼を承知で船長へ危険性を訴え出たが、反逆罪としてその場で捕らえられ、獄舎へとつながれてしまった。

船が「魔の三角海域」へと差し掛かると、「サイレントメアリー号」という幽霊船が現れ、船は、中から出てきたアンデッドの海賊たちに一瞬で制圧された。
獄舎につながれているヘンリー以外の乗組員は全員殺害された。
幽霊船の船長、サラザールは、ヘンリーの獄舎でジャックスパロウの懸賞金ポスターを見つけた。

ジャックへの復讐に燃えるサラザールは、ヘンリーを敢えて生かして返すことで、ジャックに復讐の意志を伝えようとするのだった。

聖マーティン島では、カリーナスミスは「魔女」狩りで独房へと入れられていた。
人々は、独学で天文学と測時学をマスターした彼女の先進性についていけず、カリーナを魔女として恐れた。
彼女は、看守のスキをついて独房のカギを外して、逃げ出した。

一方、ジャックスパロウは銀行強盗をたくらんでいた。
手下達を使い、銀行の建物ごと馬車で奪い取る計画を立てていたのだ。
非常に大雑把な出たとこ勝負の計画だったため、彼らが引きずってきた金庫を港で確かめると、中身が全部なくなってしまっていた。
これで愛想が尽きたギブスを始めとする手下たちは、全員がジャックの元を去った。

サラザールから逃がされたヘンリーは、病院に入院していた。
誰も一人だけ生還したヘンリーの主張に耳を貸さず、彼もまた裏切り者として処刑されることになった。
しかし、その時、看護婦に扮したカリーナがヘンリーを訪ねてきて、彼に手枷を外すカギを渡した。

カリーナは、ポセイドンの槍を探すヘンリーの手伝いをしたいと申し出た。
彼女はその手がかりが書かれた「ガリレオガリレイの日記帳」を持っていた。
日記帳に書かれた秘密のヒントは、日記帳の表紙にはめ込まれた赤い宝石で、ブラッドムーンの時間帯だけにしか読むことができないのだ。
カリーナは、自分が何者なのか、父は今どこで何をしているのか、その手がかりを知るために、日記に残された「ポセイドンの槍」のありかを探したいと切望していた。
ヘンリーは逃げ出すことに成功したが、代わりにカリーナが捕まってしまった。

船員たちに去られたジャックは、自暴自棄となり、立ち寄った酒場で肌身離さず持っていた魔法のコンパスをラム酒と交換しようとした。
しかし、ジャックがコンパスを手放した瞬間、呪いが発動した。
「魔の三角海域」に囚われていたジャックの宿敵、サラザールが解放され、大海原を渡ってジャックを探せるようになったのだった。
お尋ね者だったジャックは酒場を出ると、捕まって牢屋へ入れられてしまった。

その一部始終を見ていたヘンリーは、変装して独房にいるジャックに会いに行った。
ジャックは、ヘンリーがウィルターナーとエリザベススワンの子供であることを知った。
ヘンリーは、ジャックに父、ウィルの呪いを解くための作戦を相談した。

その夜は、満月の「ブラッドムーン」の日だった。
カリーナが獄舎の窓から漏れるブラッドムーンの光を日記帳の表紙についていた赤い宝石にかざすと、日記に隠された「ポセイドンの槍」のありかの地図とメッセージが浮かび上がった。

☆大海原へと出港したジャック達

ジャックとカリーナは、牢から出されると、それぞれ断頭台と絞首台へと連れて行かれた。
その道中、ジャックの叔父、アンクルジャックの姿も彼を見守る群衆の中に見えた。
ジャックが断頭台に送られる前に、ヘンリーは、ジャックの仲間たちに報酬を支払ってジャックを助けるように手を回していた。
仲間たちは、ジャックとカリーナを助け出し、ダイイングガル号へと乗せて船を出港させた。

その頃、海上では、ヘクターバルボッサ船長は、今や「クイーンアンズリベンジ」号の船長として、手下たちとリッチな海上生活を送っていた。
しかし、バルボッサはサラザールが復活したことを悟ると、海の魔女、シャンサと会い、酒場から回り回って彼女が持っていた魔法のコンパスを手に入れた。

すぐに、サラザールはバルボッサの船を見つけて、バルボッサに会いに行った。
サラザールはコンパスの助けを得て、何とかジャックを見つけ出したかった。
元々、サラザールはジャックと会うまで、最強と謳われたスペイン軍の船乗りだった。
彼らは、まだ若かった時のジャックに出会うと、ジャックの乗っていた海賊船のメンバーを制圧した。

ジャックは、息絶えそうになっている船長からコンパスを受け取ると、船員を率いてサラザールを「魔の三角海域」へと引きずり込む計略を仕掛けた。
サラザールは、ジャックの策にはまり、「魔の三角海域」で囚われ、アンデッドになってしまった。
そんなジャックに対して、サラザールは長年ずっとポセイドンの槍を使って自らの呪いを解き、ジャックへの復讐の機会を伺ってきたのだ。
バルボッサは、サラザールに協力することを申し出た。

☆バルボッサとの合流……追ってくるサラザール

コンパスの力を使い、ジャックの船を見つけ出したバルボッサ。
一方、遠くからイギリス軍の軍艦もジャックの船に迫っていた。
ジャックは、船員達と話し合い、ヘンリー、カリーナと3人で手漕ぎの小さな船に乗り換えて近くの島へ向かった。
イギリス船は、ジャックの手下たちを捕まえ、ジャックの居場所を探った。
サラザールとアンデッドの船員達は、手漕ぎ船で逃げ出したジャックを見つけると、彼らの上陸を阻止するためにアンデッドのサメを放ち、海上を追いかけてきた。

しかし、彼らは逆にサメを利用して岸辺までたどりついた。
サラザールは追いすがりたかったが、アンデッド達は陸地へ上陸すると崩壊してしまうため、陸上へ逃げ込んだジャックを取り逃した。

ジャック達は、島で彼に貸しがあるという昔の船員仲間に捕まってしまった。
昔の船員仲間により、彼の妹を無理矢理結婚させられようとした時、間一髪のところでバルボッサが上陸し、ジャックを救った。
バルボッサは、ジャックに酒瓶の中に入ったブラックパール号を、瓶の外へ出すように命じた。
バルボッサが黒ひげから奪った魔法の剣でビンを割ると、ブラックパール号は元の大きさへと戻った。

「ポセイドンの槍」への道中、バルボッサはジャックを帆にくくりつけて監視した。
そして、バルボッサはカリーナに船を任せることにした。
ジャックとバルボッサは、カリーナとの会話から、彼女が実の娘であることを悟った。
バルボッサは、遠い昔、死に別れた前妻の娘を、星にちなんで「カリーナ」と名付け、日記帳とともに孤児院へ預けたのだ。
バルボッサは、ジャックにそのことを固く口止めするのだった。

☆ポセイドンの槍をめぐる最終対決

そして、とうとう彼らの船はポセイドンの槍が眠る島へとたどり着いた。
途中、追いつかれたサラザールの船と戦闘になったが、陸地へと上がれないサラザールを何とか振り切り、島へと上陸した。
彼女は、島に散りばめられた光る石の数々が、天体の位置関係を反映していることに気づいた。

一つだけ光が消えていた場所に、彼女が赤い宝石をはめ込むと、海が二つに割れて、その割れ目の海底にポセイドンの槍が現れた。
ヘンリーとカリーナが槍を手にしようとした瞬間、そこへサラザールと手下たちが現れた。

サラザールは槍をつかんでジャックを殺そうとした。
ヘンリーとカリーナは、槍を粉々に壊してしまうことで、海におけるあらゆる呪いを解くことができると確信した。
槍がジャックに刺さったが、ヘンリーが走り寄り、槍を粉々に破壊した。

すると、サラザールと手下たちは、アンデッドから人間へと戻った。
ギブスと仲間たちは、ジャック、バルボッサ、ヘンリー、カリーナを引き上げるため、錨を投げた。
しかし、ジャックが死ぬまでは気が収まらないサラザールは、彼らを追い回し始めた。
バルボッサの腕に掘られた星座が見えた時、カリーナは、バルボッサこそが自分の父親であることを悟った。
そして、バルボッサは自分の身を犠牲にして、サラザールとその仲間たちを今度は永遠に葬り去った。

ジャック、ヘンリー、カリーナは船に戻り、仲間たちはバルボッサの死を追悼するのだった。
彼女は、父の「バルボッサ」の名前を継承することにした。

☆ラストシーン:ウィルの帰還&エンドロール

ヘンリーとカリーナは、丘の上に立っていた。
彼らは抱き合い、キスをした。
その時、遠くに「フライングダッチメン」号が海上に浮上してくるのを見た。
ポセイドンの槍を破壊したことにより、ウィルの呪いは解け、彼は船を下りてきた。
彼は、ヘンリーのネックレスを見て、すぐに自分の息子であると理解した。
打ち解ける二人の前に、エリザベスもやってきた。
こうして、家族全員が幸せな再会を果たしたのだった。

ジャックは、再びブラックパール号の船長へと返り咲いた。
そして、仲間たちはまた以前のようにジャックへのリスペクトが戻り、今日も彼についていくのだった……

-----

ウィルは、エリザベスと一緒にベッドで寝ていた。
すると、ドアが開いて部屋の中に入ってくる人影が見えた。
それは、彼らのかつての宿敵、デヴィジョーンズだった。
ウィルは驚いて跳ね起きたが、悪い夢を見ているのだと思った。
彼は、ジョーンズが床に落としていったフジツボにまだ気づいていないのだった……


④ 本作の評価

素直に感動、面白い!

舞台装置は超一流なのに、キャラだけ濃くて全く成長しない主人公、裏切りの応酬&複雑なシナリオ&スラップスティックコメディ的な作風……

3部作が圧倒的に素晴らしかった「パイレーツオブカリビアン」シリーズ。

4作目では敵のインパクトさや取るに足りないシーンだらけで微妙だった

しかし、今作は期待以上に良し!
過去作では、予習不足で話の筋が追えなくなった失敗もあり、事前にみっちり予習していったことも奏功したのか、予想外に感動!

雰囲気としては、1作目に近い感じ。
何と言っても、不動のマスコットキャラ、ジャックスパロウの両脇に配置された男女二人が非常にフレッシュ!
並外れた勇気と「父親との再会」という強い目的意識を持ってガムシャラに行動する「若さ」が眩しかったです。

そして、バルボッサとカリーナが、初めて互いに血の繋がった存在であると通じ合ったクライマックスシーン。
せっかく親子として気持ちが通じ合ったのに、一瞬で失われた家族の温もり。

生き馬の目を抜くような海賊の世界で、家族とは無縁の生き方を続けてきたバルボッサ。
そんな彼が、生涯の最期の最期になって、自らを犠牲にして娘を救うという最高の愛を与えて死んでいった場面は、感動もん!
ベタな展開ではありますが、思わず涙してしまいました。

また、ヘンリーが父との9年ぶりの再会を果たすシーンも良し!
かつて父を救い出そうと懸命だったウィルを、今度はその息子が救い出す。
ウィルは結局父、ブートストラップビルを救うことはできませんでしたが、息子は見事にやり遂げて父や祖父を越えた。
そして、親子3人での再会に加え、ヘンリーとカリーナが新たな家族になっていく……
必ずしもハッピーエンドとは言えなかった3作目「ワールドエンド」以来、20年越しで果たした幸せな家族の再会に目頭が熱くなります。

途中、いつも通りご都合主義的な展開や、アッサリした謎解きなど「うーん」と思うようなところもありましたが、「家族」の絆を力強く描ききった、一貫したテーマ性の強さは良かったのだろうと……


★既視感のある様々な場面も……

その一方で、メインのアクションシーンには若干の既視感あり。
まず、金庫ごと馬車で引きずる市街地でのアクションシーンですが、これって「ワイルドスピード MEGA MAX」の金庫強奪シーンそのまんまですよね⁉︎

さらに、バルボッサが犠牲になって「奈落の底」に落ちていくシーンは、良かったことは良かったですが、既視感ありまくりです。
最近のディズニー系映画では手を変え品を変え使われているんですよね。(でも泣いてしまったけど…笑)

一番わかり易いのは直近の「ガーディアンズオブギャラクシー リミックス」のラストシーン!
父親同様だったヨンドゥーが身を呈して宇宙空間でピーターを生かして帰すシーンとそっくりそのまま同じ構造だったような……

さらに、若干ニュアンスは異なりますが、「スターウォーズEP7 フォースの覚醒」でもハンソロが息子、カイロレンと戦って奈落の底に落ちていきますね。

このように、大事なシーンでちょっと借り物的な表現が多かったかな、という感じもありました。
舞台セットや映像表現などが秀逸なのでそれほど気にはならなかったですが、次作以降は頑張ってオリジナリティ溢れるアイデアを出してほしいです。

⑤ 「最後の海賊」に関する8つの疑問点~伏線・設定を徹底考察!~

疑問点❶:英語での副題「Dead men tell no tales」とはどんな意味?

本作の英語オリジナルサブタイトルは、「Dead men tell no tales」となっています。
意味は、直訳すると「死人に口なし」ですが、海賊の世界では、「死んだら、もう誰とも話すことはできない。だから、秘密がばれないよう相手を黙らせたいなら、一番の方法は殺してしまうことだ」という意味で理解されています。

このフレーズが有名になったきっかけは、ディズニーランドのアトラクション「カリブの海賊」で取り上げられてから。
序盤の急流を下った直後にある「デッドマンズコープ」で骸骨たちが繰り返ししゃべっているフレーズなんですよね。
今回の副題は、シリーズの原点に立ち返り、アトラクションにちなんでつけられたそうです。

疑問点❷:なぜブラックパール号はボトルの中に入っていたの?

ブラックパール号は、「パイレーツオブカリビアン/生命の泉」で、悪役の「黒ひげ」の魔法によって、ボトルの中に小さく閉じ込められてしまいました。
この魔法を解くには、現在はバルボッサが持っている「黒ひげの剣」で瓶を割るしかなかったのです。
ちなみに、この瓶の中にはバルボッサのペットの猿(通称”ジャック”)も閉じ込められていました。

疑問点❸:魔法のコンパスはどういう機能があるの?

シリーズ1作目から通して重要アイテムである「魔法のコンパス」。
このコンパスは、所有者が心から臨んだアイテムのありかの方角を指します。
ジャックが「Wicked Wench」号の船員だった若き日、サラザールから急襲された時に瀕死の船長から受け継いで以来、常に肌身離さず大切にしてきたアイテムです。

ジャックはコンパスを様々な悪役達に狙われ、しばしば奪われてしまいますが、その都度不思議とジャックの手元に帰ってきます。
本作では、ジャック⇨バーの店主⇨ネズミ(シャンサのペット)⇨シャンサ⇨バルボッサ⇨猿のジャック⇨ジャックへと目まぐるしく持ち主は変わりましたが、結局ジャックの手元に戻ってきました。

疑問点❹:コンパスを手放した時、なぜサラザールが復活したのか?

このコンパスは持ち主が故意に手放すと、その人物にとっての「最大の恐怖」を解き放つ呪いを発動するおまけつき。
本作で、ヤケになったジャックがラム酒1瓶とコンパスを交換しようとした時、その呪いが発動します。
ジャックにとっての天敵であるサラザールが、「魔の三角海域」から解放されてしまったのです。

疑問点❺:カリーナの生い立ちは? 父バルボッサとの関係は?

バルボッサが若い時、マーガレットスミスという恋人との間にできた子供がカリーナでした。
マーガレットは、カリーナを出産後すぐに死亡します。
荒くれ者の海賊でもあり、一人では娘を育てられないと判断したバルボッサは、孤児院の階段に出生後すぐのカリーナと、カバーに赤い大きな宝石が埋め込まれた「ガリレオの日記帳」を置いていきます。
バルボッサは、航海時にいつも(カリブは南半球なので)北天で目印にしていた「りゅうこつ座」にちなんで、娘に「カリーナ」と名付け、娘の名前は「カリーナスミス」であると記したメモも日記帳に挟んでおきました。

その後、孤児院で育ったカリーナは、日記帳に書かれた地図と暗号が父への手がかりになると考え、独学で天文学と測時学をマスターしたのでした。
クライマックスシーンで、バルボッサの腕に掘られたタトゥーが、日記帳に書かれた星座と一致することから、彼女は直感的にバルボッサが長年探してきた父親であることを悟るのですよね。
泣けるシーンでした……

ちなみに、彼女の前日譚として、7月4日にスピンオフ小説「カリーナスミスの冒険」が発売されました!

疑問点❻:エンドロールは何を意味していたのか?

エンドロールで映っていたのは、第2作「デッドマンズチェスト」でジャックがトドメを刺したはずのディヴィジョーンズによく似た人影でした。
床に落ちていたフジツボは、「フライングダッチメン」号に関連した人物であることを示唆しています。

ポセイドンの槍を破壊したことで、世界中の海域にかかっていた呪いが解除された時、一度死んだはずのディヴィジョーンズも復活してしまったのでしょうか?

興味深いのは、今作で、初めてストーリーの継続を示唆する予告編的なポストクレジットシーンが作られたということです。
過去4作でも同様のシーンがありましたが、作品内のサイドストーリーの補足以上のコンテンツではありませんでした。
「最後の海賊」とかいいつつ、続編を作る気満々だってことですね。

疑問点❼:続編「パイレーツオブカリビアン6」はあるの?

ネット上の様々な情報を総合すると、「5」の興収次第ではありますが、問題がなければジョニーデップが「出演する」限り、6作目以降も予定しているとのこと。
アメリカの映画サイト「IMDb」には、すでに

・ジョニーデップは次作の内容も聞かずに契約書にサインした
・次作は2019年か2020年になる見込み

と書かれています。

仮に次回作があるとしたら、ディヴィジョーンズの復活は確実として、「黒ひげ」の再登場やジャックの元恋人、アンジェリカの再登場も期待できそうですね。
続報を待つとしましょう!

⑥ まとめ

ここ数作品、どうしてもドタバタコメディ的な側面が強くなってきていた中、プロットがわかりやすく整理され、新キャラ達がしっかり盛り上げてくれた第5作。
個人的には、非常に楽しめましたし、次作にも期待できる仕上がりでした。
「パイレーツ」シリーズは6作目で完全完結という噂もありますし……

CG加工した若き日のジャックスパロウや、ポールマッカートニーのゲスト出演など、細かいサプライズもしっかり用意されています。
是非、大迫力…IMAX3Dや4D上映…の映画館でジャックたちの大冒険を焼き付けて来てください!

〜It's a pirate's life for me. Savvy?〜
katsu

katsu