キミシマユウキ

パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊のキミシマユウキのレビュー・感想・評価

3.4
ウィルターナーの息子ヘンリーは父の呪いを解くために「ポセイドンの槍」を探して伝説の海賊ジャックスパロウを探すが…

ディズニーが誇る最高の海賊映画シリーズ第5弾!
主演はもちろん知らない人はいない
!!ジョニーデップ!!
2D吹き替えと噂の3面"ScreenX"にて鑑賞


Dead Men Tell No Tales

うん。たしかに自分も含めた過去のファンを喜ばせようとする仕組みは感じた。
たしかに面白くなるはずなんだが……
正直個人的にはシリーズの中で最も微妙な作品だった。




※ここからは若干辛口&内容に触れます※



とにかくファンサービスをすることで媚を売っているのが見えてしまう演出がまず臭い。

「ほら、お待ちかねのウィルターナーとエリザベススワンだよ、観たかったんでしょ?」

と売り出しつつ、蓋を開けてみると2人とも"仕方ないから出演してやった"感が半端じゃない。そこは仕方ないとしても物語の流れ的に自分の息子とかつての戦友ジャックが命懸けで海の大冒険をしてると言うのにフライングダッチマン号を率いて加勢しないウィルは何をしていたというのだ!
出すなら出し切る!
出さないなら出さない!
フジツボとか安易に頬に付けたりするな!あれは約束を守らなかったディヴィジョーンズ船長だったからこそ掛かった呪いであって職務をこなしていれば付かないはず!!てかワールドエンドのラスト10年後シーンでめっちゃ綺麗な肌してたやん!今作の監督は作品の世界観考証とかしてんのか!?
あ、それ以外の彼についてはネタバレコメントにて。
そしてこのシリーズの、というか初期三部作の良いところキャラクターの個性のはず。
同じ船に乗っていても思惑が別だったりして、海賊・海軍・化物の三つ巴なドタバタ劇が楽しめるはずなのだがいかんせんキャラも少なきゃ個性も乏しい。てか海軍空気
過去のキャラクタ出しときゃいいだろ的な雰囲気で一作目からいる古き良き仲間達がいるのは嬉しいんだが、義眼のラゲッティと相棒のピンデルやコットンと代理で喋るオウムなど最もキャラが立ってた脇役がいないのは厳しい。ギブス君とバルボッサが唯一の救いか。
新キャラは敵役のハビエル・バルデムも含めて薄い。
ハビエル・バルデムはもっと狂った役を期待してたよ…
『ノーカントリー』や『007/スカイフォール』程とまでは言わないから…
ウィルの息子ヘンリーも正直目立った活躍もなく剣すらほとんど使わない、孤独な天文学者カリーナもとってつけたような設定にガッカリ…。

そしてアクション。
これは監督の技量だろうか、シリーズお決まりの剣術でのフェンシング的な立ち回りが一切と言っていいほどない。今回ジャックスパロウほとんど戦ってないけどみんな気付いてる!?逃げてばっかだよ!?
初期三部作の周りのギミックを使いながらのピタゴラスイッチ的な戦いが好きだったのは俺だけじゃないはず!!!序盤の銀行強盗の大仕掛け以外は正直拍子抜けなシーンばかりだった。
あとは音楽。
なんかびみょーーーにしっくりこないなぁと思っていたらパイレーツの立役者であるハンスジマーが担当から外れていた!
だからなんか高揚感が足りなかったのか…。
ちなみにハンスジマーはその間ノーラン監督の『ダンケルク』を担当してました。正解ですそのチョイス。

極めつけはストーリー!
これはネタバレに関わるので触れないけど、一言で言うなら『ポセイドンの槍』て結局なんやねん!!!説明不足か!!!
今までのシリーズ台無しにするレベルのチート武器か!!!

と、まぁけちょんけちょんにこき下ろしたけども感動するところはそれなりにしたし、やっぱりジャックスパロウが冒険してるだけで楽しいし、普通に面白い場面も結構あったんだけども、いかんせん設けたハードルが高すぎた……。

物語の核心に迫るレビューはネタバレコメントにて

〜オマケ〜
screenXはなかなかでした!
ただ全部が全部三面になるわけじゃないのは残念!
海のシーンなどは本当に航海に出てるようで興奮できるので是非もっと進化して欲しい!


海賊好き、ジャックスパロウ好き、そして映画で夏の到来を感じたい方にはオススメの作品