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バレエ・メカニックのmikanのレビュー・感想・評価

バレエ・メカニック(1924年製作の映画)
3.8
芸術家フェルナン・レジェによる実験映画。キュビスム画家の作品らしく、様々な事象が多角的に撮影され映像を構成している。撮影されているものは、ねじや歯車など機械を構築している物、人間の眼や口、インコの頭などの生物の肉体の一部などである。
撮影された当時は機械文明を賛美する「未来派」が美術界で流行していた一方、機械が大量に導入されたWW1から5年程しか経過しておらず、機械への賛美と恐怖がごちゃごちゃになっている時代だと思われる。この映画からは、機械への賛美というより、むしろ機械による人間性の喪失が感じられる。バレエという人間の肉体により美を表現する芸術と、無機質に動作を繰り返し続ける機械とを対比、または同調させているのだろうか。
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