やっぱりカルカン

思い出のマーニーのやっぱりカルカンのネタバレレビュー・内容・結末

思い出のマーニー(2014年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

金曜ロードショーで放送された時はほとんど毎回見ているので3-4回は見ている事になります。
原作があるようですが、読んだことがないのでストーリーや設定の比較については分かりません。その上で何とも言えないモヤっとした感じのある映画だなと思います。

恐らく理由は最後にあります。
ずっと夢か現実か分からない不思議な感じでストーリーが展開していき、最後に怒涛のネタバラシがあって終幕となるのですが
とにかく情報量が多い上、設定がめちゃくちゃなので理解が追いつかないまま終わります。

この映画が嫌いな訳ではありません。途中までのワクワクドキドキする感じ、ある意味百合アニメかなと思うような杏奈とマーニーのエモいやり取りは大好きです。
毎回金曜ロードショーでマーニーが放送される際、楽しみだなぁと思って見るのですが途中までの過程とオチははっきり覚えているのに最後の怒涛のネタバラシの所だけいつも忘れているのです。まあ、そのおかげで毎回楽しく見れるので良いのかもしれませんが…

・杏奈は孤児(養護施設から引き取られた子)だという事が分かりにくい
自分が見落としてるのかもしれませんが、何回か見ても毎回「ん?」となるので、やっぱり分かりにくいのではないかと思います。親戚などではなく、育ての親の頼子さんとは赤の他人なんだっていうのを最初の段階でもっとアピールしてくれてもいいと思います。
この辺の設定はこの映画において一番理解しておかないといけないポイントなので、露骨すぎるぐらい明確な描写にすべきだったと個人的には思います。

・マーニーの子供で杏奈の母親にあたる絵美里がクズすぎる
マーニーも和彦さんもいい人だから、施設に預けたとかならともかく、いくら全寮制の学校に行って数年間離れていたからといってあんなに極端に悪い子にはならないような気がするけど、子供とはいえ1人の人間だからいくら親子とはいえ仕方ない事なのかな…

・登場人物全員病弱
主人公の杏奈は喘息持ちで鬱気味、マーニーは絵美里を出産後、和彦さんが病死、心身を病みサナトリウムへ。グレて出て行った絵美里が交通事故で死んだため、マーニーは孫の杏奈を引き取るが絵美里を失ったショックから立ち直れず病死、杏奈は施設へ送られる。
可哀想すぎる。

・なぜマーニーは大切な絵と日記の一部を湿っ地屋敷において行ったのか
日記は和彦さんの事ばっかり書いてたから誰かに見られるのが恥ずかしくて、破って隠したのではないかと思います。
まあ、子供の時って色んなところに物を隠してそのまま忘れちゃう事もあるし、久子さんには気の毒だけど貰った絵も大切に飾っていたというよりは「日記の隠し場所」として棚の隙間?で忘れ去られてしまったんですかね。
自分が久子さんの立場だったらそれはもうショックですけどね。顔色ひとつ変えず聞いていた久子さんはさすがです。

・杏奈、寝過ぎ
路上でとか危ないよ。気をつけて。
寝てるのか意識失ってたのか知らないけど見てて心配になります。
昔、同僚にも居たけどナルコレプシーなのかな?起きたら毎回ベッドの上で朝になってた、とかでもよかったのでは。

・出自の告知
法律とかはあんまり詳しくないんですが、通常どこかに産み捨てられた子供でもない限り、施設に預ける時に両親の名前ぐらいは伝達すると思うんです。
杏奈の場合、親戚同士に押し付け合われているシーンがありましたので、恐らく養護施設に預けたのも親戚だと思います。
預ける時に、普通両親の名前やこれまでの経緯などヒアリングすると思うのですが…そもそも戸籍謄本とかもあって頼子さんは見ているはずですし…
ずっと握りしめていた写真にもマーニーと書いてあったので、いくらひどい親戚でも全部黙ってる事なんてあるのかな?
頼子さんも、大切に持っていた写真を見て、マーニーって誰なのかとか、杏奈の両親の事とか今まで何も気にならなかったんですかね?施設の人にもそれらを一切聞かされずに育ってきた(引き取られた)というのが不思議で仕方ありません。

養育費をもらってたとか、夢なのか現実なのか、空想の世界なのかタイムスリップなのかとか、そんな事は問題じゃありません。最後に明かされる設定がどれもこれもガバガバで台無しすぎるんです。もっと丁寧に設定を考えてくれていたら4.1ぐらいはつけたと思います。残念…