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思い出のマーニーのKANIOのレビュー・感想・評価

思い出のマーニー(2014年製作の映画)
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画作りに関しては流石ジブリとしか言いようがないし、音楽も作品の雰囲気とマッチしていてとても良い。

しかし、ここまで作品の世界が完成されているのに対して、所々の「違和感」がその作品の世界を崩している感が否めない。
一番大きかったのが、自らを「見えない輪の外」にいると評する主人公が、自己受容でも内側を目指そうとするワケでもなく、外的要因でいつの間にか「内側にいられる人間になった」という違和感。
次に、作中で不自然に主人公に独り言を言わせてまで何でもかんでも場面の説明してミステリアスな空気を崩してしまう違和感。

しかし、「少年少女が謎の存在となんやかんやあって自身を見つめ直し成長する〜」という話は綺麗な作中の画と相俟ってとても美しく描き出している。

物語終盤でマーニーが窓から屋敷の下にいる杏奈と会話する下りがあり、涙を誘うシーンなのだが、作品を全て見終えた後にそのシーンの事を再び考えると、もう1つの意味が見えてきてしっくりくる。
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