おおばなつみ

思い出のマーニーのおおばなつみのレビュー・感想・評価

思い出のマーニー(2014年製作の映画)
2.5
映画館で見たときの感想が微妙だったのでもう一度見た。
でもやっぱり苦手で、わたしはこのふたりの少女に感情移入することが出来なかった。

苦手だった理由の一つが「人がこういう絡みをしたら最高」を具現化したような場面(手を重ねてボートを漕ぐとか)が話の流れからそうなった、ではなくて最初に「これやったら胸キュン」を想定してそこから逆発進したんだろうな、というシーンが多々あって同人誌的だなと思ってしまった。
この映画の中の美しいふたりの少女は男性の理想の美しい少女で、走り方でさえ可憐さをまとっている。
でもふたり以外の人間が親戚のおばさん、親戚のおじさん、先生、同年代の子、など外骨格だけでちぐはぐに感じた。
食卓にならぶ料理も、実際の食卓の温かみを感じることができなくて、3人という人数に比べて必要以上に量をこさえてある海鮮や煮物やタッパではなく皿に並べて保存するなどという考えすらないです、みたいな大量の漬物などの品々に白々しささえ感じてしまって苦しかった。

宮崎駿と比べては可哀想だし失礼だと思う。
けれどやっぱり同じ土俵に立たれるとどうしても比べてしまって同じクオリティを求めてしまう。
作風も絵柄も確立するのではなくて踏襲してしまっているから。

この監督はいつまでも消えない宮崎駿の背中に一生苦しむんだろうな、と思って胸が痛んだ。
それと同時にメアリでも同じことをしているということにムカつきもした。
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