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天使のはらわた 赤い淫画のkumamurakamiのレビュー・感想・評価

天使のはらわた 赤い淫画(1981年製作の映画)
3.8
『天使のはらわた 名美』の後に見たから非常に肩透かしをくらったように思うけれど、これが本来の"ロマンポルノ"なはず。

きちんと性描写のバラエティーがよく、ウェットにドラマを展開していく着実な手法。『天使のはらわた』フォーマットとして、村木と名美の魂がふれあうが結ばれない、という美学が全面に押し出されている。

ロマンポルノでウェットなものを描くと、どうしても女性が弱く描かれるが、男性が弱く描かれているのが新鮮に感じた。ビニ本に乗せられて不倫男に捨てられた名美と、ビニ本に真っ向から恋をした村木のストーカー化からの結ばれるか結ばれないか…。

銃をぶっ放されて風穴が開いた村木が死ぬ思いで名美との待ち合わせ場所へ行き、二人とも微笑んで終わる、圧倒的にクールな終わり方。たまらなかった。
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