ストーリーテーラー

ブルックリンの恋人たちのストーリーテーラーのネタバレレビュー・内容・結末

ブルックリンの恋人たち(2014年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

ミュージシャンは良くも悪くも今を歌う

・設定:3
人類学の博士号取得のため日々研究で忙しくていた主人公フラニー。大学に行かず音楽をやっていた弟のヘンリーがブルックリンで突如交通事故に遭い、昏睡状態に。
フラニーは疎遠になっていた家族と再会し、意識が戻らない弟の遍歴を辿るためへとブルックリンを巡り歩く。

・構成:4
弟が大ファンであったミュージシャンのライブに行き、
弟が昏睡状態であることをそのミュージシャンに告げる。
彼は弟の病室まで訪れ、フラニーと恋仲に。彼らは弟の意識を取り戻すために弟が聞いてたと思われるブルックリン中の音を探しに行く。作中二人と音楽にほとんどスポットライトが当たっており、テーマが一貫していて良い構成。

・物語の完成度:3
ミュージシャンが病室でギターを弾き始めると弟の意識が戻り始める。完全に意識が戻った時、フラニーがミュージシャンと再会することは二度となかった。彼の音楽を街で再び聞いた時、フラニーと過ごした時間について歌われていた。

・表現性:4
音楽を大事にしている作品なので、作中映画としての音の演出が一切ない。無音か彼らが奏でる音楽しか流れてこない。無音の時間が多いのも相まって、弟の昏睡を憂うフラニーの悲愴感が強調される。

・独創性:2
音楽で植物状態の人の意識を取り戻す話はよくありそう。

・キャラ:2
恋仲になる二人はいたって普通のミュージシャンと一般人。そこに抑揚はない。


弟は戻り、ミュージシャンと別れたフラニーは
元の人類学研究の生活に戻る。
全てがそうではないだろうけど、こういう人生の1シーンを切り取って作詞作曲したりもするんだろか。