享楽

ハーフネルソンの享楽のレビュー・感想・評価

ハーフネルソン(2006年製作の映画)
4.5
ライアン・ゴズリング主演の作品だが、このストーリーにおいて彼は主人公の下支え的な役割を果たしており、それと対を成す存在として(対称的な存在として)フランクがいる。そして当の主人公はと言えば他でもなくドレイだろう。
人間のアンビバレンスな感情あるいは言動の矛盾(この場合は例えばダンがドレイにまともな教師として関わる一方ドラッグ中毒者であること)から生成される人間の葛藤がよく描写されていた。そして映画の脚本として良いのが結局直接的にフランクという人物の全面性を描写していないことであり(職業も社会性が高くはないとはいえ職歴など含め限りなくグレーそうだ)、これがダンの臆見を露呈させることになっている。
ドレイ彼女自身の視点から、シングルマザーとして二人で生活していて心の拠り所がなく、尊敬あるいは頼れる大人達の正の面と負の面に挟まれた、少女の苦悩は必見だ。
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