ハーフネルソンの作品情報・感想・評価

ハーフネルソン2006年製作の映画)

Half Nelson

上映日:2017年06月17日

製作国:

上映時間:106分

3.5

あらすじ

ブルックリンの中学校で黒人やヒスパニックの子どもたちに歴史を教える教師、ダン・デューン(ライアン・ゴズリング)。型にはまらない授業で生徒たちの信望を集めているが、一方で自身はドラッグに溺れている。ある日学校のトイレの個室でドラッグを吸っている現場を、女子生徒ドレイ(シャリーカ・エップス)に見つかってしまう。彼女の兄は薬物を売った罪で刑務所におり、近所には多数のドラッグディーラーがたむろするような…

ブルックリンの中学校で黒人やヒスパニックの子どもたちに歴史を教える教師、ダン・デューン(ライアン・ゴズリング)。型にはまらない授業で生徒たちの信望を集めているが、一方で自身はドラッグに溺れている。ある日学校のトイレの個室でドラッグを吸っている現場を、女子生徒ドレイ(シャリーカ・エップス)に見つかってしまう。彼女の兄は薬物を売った罪で刑務所におり、近所には多数のドラッグディーラーがたむろするような劣悪な環境で母親と二人で暮らしている。そんな彼女を何とかして救おうとするダンと、彼の秘密を知っているドレイ。二人の間に不思議な友情が芽生え始めるのだが-。

「ハーフネルソン」に投稿された感想・評価

U子

U子の感想・評価

3.5
ゴズリング みたさに、鑑賞。
コカイン中毒の教師と、黒人の女生徒との友情を描いているが、何か物足りないような。
ちょっと狙ってる感じがありますが、深夜にみるのにちょうどいい。
ライアン・ゴズリングが自分にとって特別な俳優になったのは『ドライブ』…ではなくて『プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ』から。いつもドン底の淵の周りを、自分の踵を見詰めながらヨロヨロ歩き続け、生気のない顔で微笑む。それでもサーカスのピエロの様に決して落っこちはしないのだと思い込んでた彼が、『プレイス・〜』では文字通り落っこちてしまったよ‼︎おい!
で、それ以来、ゴズリングは“自分より先に落っこちてみせてくれる”人になったのです。最悪な時に、希望の様な顔をして近づくモノを疑う習性も彼の演じるキャラクターから(反面教師的に)学んだ気がします。
つい最近目にしたツイートで、ゴズリングの抱えていた障害を知り、もうこれは、一生彼の仕事を見続けていくしかないなと決意を新たにしていたところで、非常にタイムリーにソフト化された過去作を観る事が出来たのです、が…。

これは辛過ぎる。
鑑賞中ずっとあちこちの神経がビリビリと痛みました。まるで身体を裏返されたみたい。
いつもチンピラ風情を演じるゴズリングは恰もヒビだらけのガラス瓶。投げつけられれば派手に飛び散る事も意に介さないといった風に見えるのですが、今作の彼はまるで気泡だらけの瓶の出来損ない。何も入れられない。投げつける価値すら無い。
教壇で理想を語りつつ、でも依存症の自分とは向き合えないままで、益々頭と心が乖離していく。止まった表情で卑屈に微笑むだけ。…これはまるで鏡を見ているみたいだよ。
自暴自棄で孤立していく彼と、彼を心配しつつ地元のコミュニティに取り込まれる彼の生徒の少女。お互いを助けたいのに、助けられ方を知らないまま、同じ淵の底へ。それぞれが錐揉み回転で落下中、ばったり目が合う最悪の瞬間。速すぎる落下には涙が追い付いて来ない。…その感覚もよく知っています。
ゲットーの黒人が、まるで進級でもするかの様な気軽さでプッシャーになってしまう事も、重度の依存症患者がレコード針の様に同じ溝を回り続ける事も本人にはどうにも出来ない事なのに、彼らは救いの手の代わりに相互の存在に依存している。なのに、『コカイン中毒者に友達はいない』とは…。

作品としては見た目の変化に乏しく、繊細すぎるが故に伝わりづらいという事もあると思いますが、自分の事を上手く愛せない方や他人の痛みに感応し過ぎてしまう方には是非観ていただきたいです。勿論、ライアン・ゴズリングが好き!というだけでも一見の価値はあると思います。価値の無い出来損ないの器を、心の奥にそっとしまっておく事で、彼の演技は誰よりも蒼白く輝いてみえるのではないか、なんて思ってしまいました。(完全に個人的な思い込みです!)鑑賞後、ライアン・ゴズリングの事は益々好きに、そして屈折した自己愛は更に深くなってしまいました。はは…。

監督の作風がとても肌に合ったので、他の作品もチェックしようかと調べてみたのですが、次回作はなんと『キャプテン・マーベル』!きっと面白いに決まってますけど、なんだか寂しいなぁ。
りこ

りこの感想・評価

3.8
ドラッグ中毒者の教師ダンとドラッグディーラーが身近に居る環境で育つ生徒ドレイの奇妙な友情関係を描いた作品。
これはライアン・ゴズリングハマり役だと思います。生徒に接している時の教師の顔も、ドラッグに溺れてるダメ男の顔もどちらも素敵でした。
ライアン・ゴズリングの表情が好きなんですが、元カノと再会した時の壁に寄りかかってるシーンと、終盤のダンとドレイがある場所で会うシーンの表情が特に好きです。後者はインパクトの強いシーンで、少し前にレンタルしてみた作品なんですが、もう一度みたくなって今回再レンタルしてきました。
ゆったりした展開で進むので退屈に感じるかもしれないけど、抜け出せそうで抜け出せない二人の姿がじわじわきます。
ラストの二人は今後どうなるのかわかりませんが、希望のある終わり方だと思います。
初めから終わりまで、ライアン·ゴズリングがラリってて、更正もしなさそうで、何が言いたかったんだろこの映画って感じ。残念
疲れた心を持て余している、そんな演技が本当にうまいなと釘付けになりました。

虚ろな目で、生きているにもかかわらず、目も心も死んでしまっている。
生きることを放棄したのかと思っていれば、実は薬物中毒。

そんな中で触れ合い…

この作品、10年以上前なのに、少し前に見た「ムーンライト」「スィート17モンスター」に共通する、ああ、こんなシーンあるな…と。
アメリカの普遍的な姿でもあるのかなと。

それだけ薬物や恵まれない生活を送る子供が多いということなのでしょう。そして、日本とは違う教師の姿。

切ない。
Ray

Rayの感想・評価

3.4
コズリングの省エネ感が役に合っていて自然な演技だった。
本当にドラッグは始めたら終わりですね。

このレビューはネタバレを含みます

こんなにボロボロダメダメなゴズリング初めてかもしれない。
言葉が少なく映像きれい音楽センスよい。
麻薬社会の良くある設定だけど、少女(ちょっと大人び過ぎてる気もする)の友情魂?恋心?に心がポカッと。
たぶん輸入盤DVDで英語字幕でみたのが最初だったような

ララランド効果で字幕つきでやっと。

ライアンゴズリングの魅力はやっぱりイケメンなんだけど、どうみてもボンクラにしか見えない表情だなぁと、あと哀愁を感じる背中。
この映画はまさにその魅力がいかんなく発揮されてるなと。

それにBroken Social Sceneの音楽がまぁぴったりで。
れじみ

れじみの感想・評価

3.8
2019年公開予定のブリー・ラーソン主演「キャプテン・マーベル」(MCU)の監督に抜擢されたライアン・フレック、アンナ・ボーデンの06年公開作品。

ドラッグ中毒の教師と黒人の少女。
黒人として生まれ、そしてその環境から抜け出すことの難しさ、教育の重要性を説いているのだが、本作がなかなかに現実的なのは、その教育を施す側の人間でさえヤク中だと言うこと。
ハーフネルソンとはレスリングの首攻めの呼称で、転じてじわじわと闇に堕ちていくことを表していると捉えられるが、まさに教師と少女も光の方へ進んでるかのように見えて、実は気付けば後戻りの出来ないところまで来てしまっている。
掴めそうで掴めない希望と拭えそうで拭えない絶望。
意外にも本作がキャリア唯一のアカデミー賞主演男優賞ノミネートのライアン・ゴズリングだが、ブレイクした「きみに読む物語」の直後の作品だけにまだ初々しさが残っている。

本作とMCUの共通点と言えば、アンソニー・マッキーが出演していることぐらいだが、果たしてケビン・ファイギの先物買いはまたしても成功するのだろうか。
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