キンキン

神田川淫乱戦争のキンキンのレビュー・感想・評価

神田川淫乱戦争(1983年製作の映画)
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 「クリーピー」の興奮が冷めぬ内に黒沢清の作品をもっと見ようと、デビュー作を手に取ってみたわけだがなんなんだこの映画は!?
 彼氏とのセックスに飽き飽きしている明子は、隣に住む友人の雅美から連絡を受け、向かいに住む少年と母親が近親相姦している現場をのぞく。「これは、イカン!」と2人は少年を性に目覚めさせようと、神田川を挟んだ淫乱戦争が勃発するコメディなポルノ映画。後に活躍していく映画監督たちが集結しているのが話題でもある。ってか、なんちゅうストーリーだ!

 ピンク映画なんだけど絡み自体は、官能小説を棒読みするかのように長回しのセックスなんて「つまらない」という意味に捉えてしまう。かと思ったら、精通とでも言うようなお祭り騒ぎには笑ってしまい、ここは何故かエロく見える。
 衣装や部屋の装飾等がフランス映画のように原色が目立ち、オシャレで変なカットを入れたりする演出が印象的でした。ゴダール作品のオマージュも含まれているという事だが、まだあまり見ていないので中途半端な楽しみ方しかできていない。が、「神田川」「向かい合う部屋」「橋」といった近辺のスケールで奇天烈な物語を堪能しては、「デビュー当時から黒澤清は異端だったんだな」っと思いました。

 クライマックス、行為によって昇天するはずのセックスが、あのような結果を生んでしまうとは。やっと檻も外れこれからという時に!堕落してんな。
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