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ターボのRのネタバレレビュー・内容・結末

ターボ(2013年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

自宅で。

2013年のアメリカ映画。

監督は「スーパー・ヒーロー・パンツマン」のデヴィッド・セレン。

あらすじ

人間世界のカーレースに憧れ、レーサーになることを夢見るカタツムリのテオはひょんなことから超スピードのパワーを手に入れしまう。彼は自らをターボと名乗り、憧れのインディレースに出ることになる。

Netflixにて、2度目。

カタツムリといえば、ノロノロと歩みが鈍いわけだが、そんなカタツムリが対極にあるスピードの世界カーレース出場を目指すという、結構ぶっ飛んだ内容笑。

結構面白そうな題材だと思うんだけど、日本では当時まさかのDVDスルー。

カタツムリが主人公という点もあるとは思うが、その要因として、やはり2006年公開のピクサー作品「カーズ」の影響が大きいのではないかと思う。

同じカーレースものでフルCG、これだけ観たらどうしたって二番煎じだからなぁ。
あっちはモノホンのレースカーだし、ボディもカッコいいし(またよりにもよって日本語吹き替え版の主人公の声が今作のターボを吹き替えた松本保典さんだし)。

確かに観てみると「負け犬のワンスアゲインもの」として、カーズと似ている部分もあるが、こちらはこちらでやっぱりものすごく楽しい。

今作の主人公のテオはカーレーサーに憧れているわけだけど、そんな彼が実際にレースを目指すきっかけが、街を彷徨っていく中で、若者たちのドラッグレースに遭遇してしまったテオは、その中でニトロシステムの流動を直に体に浴びてしまったことで、「超スピード」のパワーを手にしてしまったことから。

そう、つまり作り「スーパーヒーローもの」なのだ。

それまではカタツムリがカーレースという土台無理な話が、その能力きっかけで文字通り本作は急加速し、タコス売りのティトら、寂れた商店街の面々と知り合ったことでどんどん現実味が増してくる流れがスムーズ。

また、この面々が共にレース出場を目指す仲間という役割以外に車の修理屋だったり、ネイリストだったり、玩具屋だったりでめちゃくちゃ腕利きのピットクルーでもあって、彼らによってD.I.Y精神溢れるチューンナップが施されるシーンが楽しい。

また、肝であるレースシーンもフルCGによってニトロシステムを搭載したターボが超スピードで駆け抜ける様は光が織りなす美しい軌道と共に観てて気持ち良いし、スヌープドッグが劇中歌を提供するなど、ワイスピじみたゴリゴリのヒップホップサウンドもマッチングしていて、爽快感も溢れている。

惜しむらくはこういったスポーツものって主人公が一回スランプに陥る流れが定番なわけなんだけど、割とタイトな上映時間のせいか、能力獲得→インディ500出場→優勝と割と端的にクライマックスに行っちゃうので、ターボの葛藤部分の描きこみがちょっと薄めに感じちゃう部分もあったけど、子ども向けと考えるとノンストレスで観れる分、良いと考えるべきか。

ターボにとって憧れのカーレーサー、ガニエが実は自己欺瞞に溢れた俺様野郎でヒールに回るという意外性と共に、そんな彼がレース終盤でクラッシュを起こし、ニトロシステムが壊れて元のノロノロスピードになってしまったターボとターボをゴールさせまいとクラッシュした車体を引きずって追勢するガニエのシーンはスリリング度も感じさせつつ、もはやこれはレースじゃねぇ!とツッコミたくなるくらいある意味観たことないシーン笑。

つーか、そもそもレースの規定での搭載量とかそういうのはどうなってんだ?というツッコミもあるが、まぁここはカタツムリによるアメリカンドリームということで細かいことは気にせず、大目に観て単純に楽しむのが良いと思います笑

DVDスルーということでなかなか日の目にあたることは少ないかもしれないけど、「カーズ」の影に隠れた秀作だと思うので、是非できるならご覧になってはいかがでしょうか?

カーズ好きな子どもに観せたらどんな反応があるか気になるなぁ。
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