サラフィアー

未来を花束にしてのサラフィアーのレビュー・感想・評価

未来を花束にして(2015年製作の映画)
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あらすじ(HPより)1912年のイギリス。ロンドンでは、当時の政権に対して女性の選挙権を要求する運動が先鋭化していた。50年に及ぶ平和的な抗議が黙殺され続け、カリスマ的リーダーであるエメリン・パンクハーストが率いるWSPU(女性社会政治同盟)は、"言葉より行動を"と過激な抗争を呼びかけていた。その一方で人を傷つけないことを方針のひとつとする穏健派も存在した。現代社会の深刻な問題となっているテロ行為とは一線を画す、理性に拠る活動だったことが知られている。階級を超えて連帯した女性たちの願いはやがて大きなムーブメントとなり社会を変えていった―。(https://longride.jp/mirai-hanataba/index.php)

前から観なきゃと思いつつも、配信になくて後回しになってたやつ。
サフラジェット、「過激派」と呼ばれた女性たちの参政権を求める戦いの物語。

著名なリーダーパンクハーストではなく、まさに名もなき、妻であり、母である、一人の若い女性を主役に据えていることで、観ているこちら側もモードと一緒にWSPUの思いに共感することができる。

黙殺され、搾取され続けた女性たちの最後の反抗は単なる「テロ行為」という言葉で終わらせるべきものではない。何度投獄されても、痛めつけられても、社会から切り離されても、信念を曲げない彼女たちの姿に涙が出た。先人がここまでしてやっと勝ち得た参政権であることを女性として絶対に忘れず、行使しなければいけない。

キャリー・マリガンの演技力が素晴らしい。幼少期から続いてきた当たり前の日常に何気無く自らの人生を置いていた時のモードから、サフラジェットとして生きる道を選んだモードへの変化。たった106分の間に彼女の力強い成長が見えた。彼女の勇気、怒り、悲しみが痛いほど伝わってきて、観るのが辛いくらいだった。でも観てよかった。

もうすでにいろんな人がたくさん批判はしているものの、サフラジェットの激しい戦いをぼやかしてしまうような「なんとなくふんわりとした邦題」とポスターデザインはなんとかならんものか…