MasaichiYaguchi

ラブ&ピースのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

ラブ&ピース(2015年製作の映画)
2.0
はっきり言って問題作だと思う。
映画の冒頭から私には拒絶反応が出てしまった。
園子温さんは良い意味でも悪い意味でも、日本人監督の中で突出した存在だと思うが、愛をテーマに様々な寓意を込めて描いた本作に私は付いていけなかった。
それは、本作をラブファンタジーと呼ぶには随所にある毒が刺激的過ぎるし、有名ロックミュージシャンを目指す主人公を描くので音楽映画とも言えるが、その割には内容が余りにもという気がする。
そして終盤の方の特撮怪獣映画のシークエンスに関して、果たして特撮ファンはこの部分を容認出来るのだろうか。
ベースとなった怪獣ファンである私は憤りさえ覚えたが…
一番肝心の「愛」だが、本作には様々な愛が登場する。
そのどれもが過去の作品でテーマとして取り上げられ、描き尽くされた感がある。
主人公とヒロインの愛も線が細くて心に響かない。
五目飯や五目蕎麦のように様々な具が調和して美味しさを生み出していれば良いが、どれもこれもが主張し合って中途半端のまま我々観客に差し出されたような気がする。
個人的に大好きなRCサクセションの曲「スローバラード」を主題歌に使っているだけに残念さが残る。