アトミ

ソロモンの偽証 前篇・事件のアトミのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

70点

春。
江東区立城東第三中学校。
中原涼子(旧姓藤野)は卒業してから23年振りにこの学校へ赴任してきた。
校長上野素子は代々校長に語り継がれている「伝説の事件」について当時の中心人物であった涼子本人から話を聞いた。

1990年12月25日。ホワイトクリスマスの朝。
涼子(2年A組)と野田健一はウサギの世話のため早出。
嫌いな先生が門番で立っていた為、涼子は裏口から校内へ入る。
と、そこで雪に埋もれた同級生柏木卓也の遺体を発見した。

『ソロモンの偽証 前編 事件』

遺書はなかったが警察は屋上からの飛び降り自殺だと結論づけた(11月14日から不登校。涼子と健一が代わって飼育員)。

年が開け冬休み最後の日。
涼子宅に速達の手紙が届く(女性と2人がポストに投函。校長にも届く)。
それは2年D組大出俊次(材木店のボンボン)とワル仲間(橋田祐太郎、井口充)らが柏木を屋上から突き落として殺したという「告発状」だった。

校長はこれ以上生徒達を傷つけたくないと判断(信憑性に欠ける)。それに同意した刑事である涼子の父と佐々木にアドバイスを受けA組生徒のカウンセリングを行うことになる(差出人の特定調査)。

そんな中。
ニキビを気にしている三宅樹里は肉や油揚げなどの脂っぽいものを食事に入れないで欲しいと母に頼んでいたにも関わらず大量にオカズにぶち込んむ母にブチ切れていた(ポール・マッカートニーが名曲を書けなくなったのは肉を食べなくなってからだと説明する頭が悪い無知音楽ライターの母)。

カウンセリングの結果。
佐々木刑事は樹里と友達の浅井松子の2人が告発状に絡んでいると睨む。

松子は目撃者である樹里に直接警察に真相を話すべきだと諭すが樹里はチクったのがバレて大出らに殺されるとチンたらやってる警察に苛立つ。
樹里は大出らにニキビ顔を「バケモン」とイジられ暴力を受けていた。それを庇った松子も。樹里は相当「恨み」を持っている様子。

そんな中。
担任森内(森リン)がゴミとして出した告発状を誰かがマスコミにリークした。
マスコミはその告発状が破られていたために森内が「破り捨てた」と考え追求を始めた。
が、森内は「告発状なんか知らない」とインタビューに答える。


報道で大出達3人は犯人扱いされ登校しなくなる。
佐々木刑事は3人を心配したむろするビリアード場に様子を見に行く。

そんな中。
樹里は佐々木刑事に大出が柏木を突き落とした後「上手くいった笑」と話してたという新たな証言をした。

夜。
佐々木刑事は樹里と松子がイジメられていた(クラスメイトらからの証言)腹いせにやった事でほぼ間違いないと校長に報告。
校長はA組父兄の間で「カウンセリングは犯人探し」だと騒ぎになっているためカウンセリングを中止して欲しいと佐々木刑事にお願いした。
佐々木刑事は2人のイタズラをハッキリさせればマスコミは黙るとアドバイスするが校長は「またイジメが増える」として退いた。

職員会議。
告発状の存在を共有してもらえなかった教師らが校長にイヤミを言う。
が、校長は信憑性に欠ける告発状で生徒を混乱させたく、差出人特定も至らなかったと説明した。
教師らの矢は告発状を破り捨てた森内に向けられる。
校長は郵便局に問い合わせた所、間違いなく森内宅ポストに速達(告発状)が届けられていたことを報告した。
森内は「告発状なんか受け取っていない」と泣きながら話す。
そもそも森内が告発状を破り捨てる根拠がないと庇う教師もいたがほとんどが森内を信用しなかった。

そんな中。
涼子は松子宅へ松子の忘れ物を届けた。
涼子は松子に突然謝ったが松子は何のことだかサッパリわからなかったが、実は松子と樹里が大出らに暴行を受けてる現場を涼子は見ていたがその場から立ち去ろうとし柏木に「HRでイジメはやめよう!見て見ぬふりはやめようって言ってるよね?口先だけの偽善者だ!お前みたいなのが一番悪質なんだよ!」と責め立てられた事を思い出した。


そんな中。
誰にも信用してもらえない森内は校長に辞表を提出。
佐々木刑事にポストから告発状が盗まれたはずだ相談したが管轄区域じゃないから難しいと言われてしまう。
森内は柏木が呪いをかけたからこうなったんだと逆恨みした。


3年生になった涼子。
加熱する報道。
保護者説明会が開かれる。
騒ぎ立てる保護者に佐々木刑事は告発状の矛盾点を説明。保護者らは納得した。

そんな話を家でしていた松子の両親。
松子は「嘘がバレてる」と考え、雨の中樹里宅へ向かう。
そしてその帰り、泣きじゃくり走る松子は車に轢かれ死亡。
それを知った樹里はショックで声が出なくなってしまう。


校長は松子の両親に樹里と松子が告発状を出した可能性があることを説明し、対処を間違ったと謝った。

校長が辞職した事は全校集会で生徒に伝えられた。


そんな中。
佐々木刑事は樹里が松子と最後に何を話したのかを尋ねるため家を訪問したが、樹里はパニックを起こし過呼吸になり、母はブチ切れて佐々木刑事を追い出した。

樹里は「デブ」等と言って松子をバカにしていた。が、松子は笑ってるだけで言い返さない。
柏木の目が気になった涼子は樹里に言葉遣いを注意したが「友達だから」と松子も気にしなくていいと説明。
結局涼子はイジメから人1人救う事も出来ず泣き、気づいたら線路の柵の前に立っていた。
そして柏木も松子も死んだ。無力を痛感する涼子はまた線路の柵の前に立って死ぬ事を考えた。が、戦って生きる決心をする。


「柏木自殺説」に納得できない涼子。
マスコミも告発状が樹里と松子が仕組んだ事だと気づき始め、もう一通の告発状を持っていたという情報を仕入れ涼子に突撃インタビュー。
涼子はマスコミに対してもう振り回わすな!とブチ切れ、生徒達で全てを解決する!とたんかを切る。

6月。
野田は以前学校を訪れていた(柏木自殺現場)柏木の幼なじみで別の中学入学した秀才神原和彦と知り合いになっており、涼子に会わせた。
神原も真相が知りたい。涼子は学校で裁判をする事を思いつく。


卒業文集のテーマを決めるため3年が体育館に集められた。
涼子は元2年A組を集め裁判を提案。
そんな中、女教師が現れ生徒を散らす。
涼子は中身のない卒業文集ではなく裁判をしたいと説明する。
が、女教師は言いなりにならない涼子にブチ切れて大ビンタ。ちょっとした大騒ぎになる。

校長室に呼ばれた元2年A組の秀才井上(女教師を制止した)が女教師の行為は「完全な暴力」だと謝罪させ、涼子の母は「裁判をやらせないなら診断書を取って訴える」と味方した。

が、裁判が気に食わない教師らは生徒に圧力を加え始めた。それが逆に生徒らの反発を生み次々生徒が裁判賛成に傾いて行く。


涼子達は陪審員裁判の準備を進める。
神原は大出の弁護人。涼子は検事。学校一の秀才井上が判事。


そんな中。
森内のポストを荒らしてたのは隣に住むノイローゼの主婦(夫の浮気)だった事がわかる(森内が調査会社に依頼。現在は行方不明)。

そんな中。
大出邸が出火。祖母が死亡。

涼子達は大出の引越し先に出向き裁判に出るように求めた。
誰だか知らない人間(神原)が弁護人をするとか言い出しブチ切れて殴り掛かる。
神原は父が母を殺した犯罪人だと告白し大出を説得した。

大出は裁判に出たいとDV父親に頼んでとりあえず許しを得たが、母親も証人として出ると言った途端母親への暴行が始まり、大出は裁判に出ないと言い出してしまう。

生徒達は裁判ができないという不安に陥るが神原は「絶対に大出を連れてくる」と皆に約束。
そこまでする理由を神原は「柏木にお前みたいな口先だけの偽善者に解けるか?と試されてる気がする」からだと話した。


そんな中。
樹里は学校内裁判の事をマスコミにリークし、ニュースで全国に流すよう要求するためワープロで手紙?を制作中。
それが母親に見つかってしまう。


エンディングテーマ『アルビノーニのアダージョ』


つづく
アトミ

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