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ソロモンの偽証 前篇・事件のGのレビュー・感想・評価

4.9
「偽証」

プレミア上映会にて前編後編一気見です。

僅かではあるが、「嘘」との違いがよく現れていた。まさに「偽証」

まずは告知ポスターをじっくり見て行って欲しい。レオナルド・ダ・ヴィンチがかつて描き残した最後の晩餐に残された謎、裏切り者と言われたユダとペトロを思い出しながら。

つまりこの映画の中ではそれぞれ登場人物の顔に光が当たっているか、逆光で影になっているのか、という物理的な点でも面白いことが隠されている……と感じた。

また、邦画ならではの視点の移行も息をのむものであった。第三者ではなく第二者としての目線も巧みに使用されており、不思議と、どの登場人物の気持ちも、わかるような気がするのだ。憎さ、恐ろしささえ感じるような人たちにも。

そのこともあり、【視線】が丁寧に定められていたような気もする。それぞれの幼き中学生がワンシーンごとに見る視線の先が、真実を描き出すようであった。

あとは【開閉】という解放と閉鎖の意味を表すドアなども上手に映し出されている。

ひんやりとした事件の中にある幼き子供達の無邪気さにゾクゾクしながら、冗長になることもなく、一部始終楽しめました。

ぜひ、彼らの裁判をその目でお確かめになってください。
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