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トゥモローランドのKANIOのレビュー・感想・評価

トゥモローランド(2015年製作の映画)
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「夢を諦めるな!」なんてのは、文化人であれば10代よりも遥か幼い頃からTVや本を通じて寓話で刷り込ませられるようなメッセージだ。
故に、誰もが理解できているようでその誰もが軽視してしまいがちな訓蒙でもある。

一昔前だと、「未来はきっと良くなる!」「こんな未来都市・ガジェットが登場する!」って感覚のSF作品が多くて、それはそれで夢があって良かった。
しかし、それらはどれも結局「夢」で止まってしまっていて、「結局大人たちはいつまでたっても屁理屈捏ねて”明るい未来”を作らないから、俺たちが少しずつ創ってやるんだ!」というのが本作。

結局この物語に"ウォルト・ディズニー"という言葉は登場せず物語自体には何も関わってこないのだが、パンフレットを参照すると、この映画の発端にウォルトディズニー秘密のプロジェクトの存在が示唆されている。
名前は無くとも、ウォルトのミームをしっかりと継いだ作品なのである。

確かに物語後半の展開に多少の不満点はあり、回りくどい展開からは「選民思想」という言葉が出てしまうのもわかる。
しかし、前述した通り根幹にあるテーマは「その気持ちさえあれば誰もが未来を作れる」なので、前向きで明るいSFである事は間違いない。
あまり捻くれた見方をしないで前向きに捉えて、ディズニー作品である事も相俟って、現代の子供たちだけでなくかつての子供たち(大人)にも見てもらいたい傑作。
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