行定監督の2014年の日中合作の作品。監督は『日中関係が冷え込んでいるからこそ、今、この作品に取り組みたかった』とインタヴューに答えたそう。
日本でベストセラーとなった「真夜中の5分前」の映画化だが、レビュアーさんのレヴューをみると、原作とは若干異なるよう。
上海で時計の修理工をしている主役の三浦春馬さんと、美しい一卵性双生児の姉妹とその婚約者との4角関係のお話。
夜の雰囲気の中、時計店での時が刻まれる時計の音がロマンチック。
時間という空間の中で、幻想的な恋が展開していくのも、行定監督らしい演出が大人っぽくてよかった。
ただ、ミステリーとしての伏線が、若干、物足りなかったのと、やはりわかりづらさが眠気を催してしまう。
どちらにもとれる、曖昧な謎掛けが、最後までしっくりこなかった。
三浦春馬さんはキレイな顔立ちが生えて、一層、画が美しいのだが、正直、演技がものたりない。
中国語は違和感なくお上手だったので、そこは素晴らしい。
原作は未読なのでよくわからないが、三浦春馬さんが日本人であることの良さって、どこだったのだろうか?と思う。中国人ではない、素朴さみたいなものを狙ったのかな?よく分からなかった。
それぞれが、それぞれに想いを抱えているのだが、なんとなく、誰の心からもその熱量が感じられなかったのは、あえての演出だったのかがよく分からなかった….