JIZE

ベイマックスのJIZEのレビュー・感想・評価

ベイマックス(2014年製作の映画)
4.1
【WATCH作品No.42】
まず本作の魅力はヒロがタダシの悲劇的な死を自己改心や科学向上心を通じて享受し,それに対する資質変容をベイマックスや仲間と共にジャスティス側に据え極めて非排他的に選択して描いた点にある。14歳視点でこの事実を考慮しても兄の怪死に対して根深く探求する有志は兄の生前と比較し不可逆だと。
ベイマックス面で,非常に機械的だけど愛着心溢れ,素朴だけど多機能完備などアンバランスな外観と既存能力の歪み部分における差異設定が興味の持続を敷く事を含め魅力部分だった。中盤,心臓部のチップを外したが為に生じる暴走場面でも悪ハルク感は出てダークサイド体現も秀逸。不自由感が逆に魅力。
ベイマックスを暴走させた事から中違いになり,ある事象を機にヒロがダークサイドに堕ちかける場面でも,あの人物の感動映像をあの中立点で流すのは緻密的で,ヒロの正義に対する葛藤体現は確実にあの場面に集約され,同時にベイマックスとの友情が真に厚みを帯び示される本作一のロマンス場面な印象。
またBIG HERO6の団結感や協調性が計三回の戦闘場面を通じて,ほぼ感じ切れなかったのは正直否めない部分で,連携感の描き方が雑なのか個々が思い思いに得意技を披露し次場面に着地する感じは浅さというかアベンジャーズ感を期待しただけに描写自体が淡白だなと。カーチェイスのくだりは秀逸。
BIG HERO6のバージョンUP描写を『immortals♪』挿入歌で一貫した演出も描写の繋ぎ目を果たすマクガフィンとして逆算的に見事。6人の資質(能力)をラボで自明したのは,今場面の伏線回収を果たす手筈の為か等,納得出来る構成には感心。メカ開発のワクワク感は言わずもがな充実。
総評。悪因は敵役のある人物に対する復讐起因。ヒロやベイマックスを立たせる為に,無理駆使考えて出演させました感があの動機を踏まえれば否めず,正直本質との繋がりも真実解明されてみれば非常に薄かったんじゃ⁉︎など悪役の杜撰さが終盤に向かうに連れ加速し残念だった。山さんも再登場すればね。
良因はロボバトルから逃走に至るタダシとの連携感が抜群!とかベイマックスとのグータッチからのパラララ〜♪が格別!とかテープでボディ塞ぐくだりとかマイクロボットを小さいロボットとしか認識出来ないのはなぜ⁉︎とかもう切りが無い!ER後も映像あります!あの隠しキャラも‼︎オススメです‼︎
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