学生時分、谷崎にハマるきっかけになったのがこの「卍」。素晴らしく美しく狂った映画でした。
映画祭でにわかに盛り上がっている若尾文子様（様付けが義務だこれは）がとにかくお美しくて…
原作読んだときにこの破滅的ファムファタルを演じられるような人は居るのだろうかと思ったのですが、居ました。というかこの人以外考えられんな。時に高圧的で無策で情に厚いゆえに直情的な光子。時折あどけない表情を見せる文子様は、再現度半端なかった。岸田今日子の不気味さも良かったです。
増村保造監督作は「この子の七つの～」しか見ていませんが、純文学の世界観をそのまま映画に落とし込む力に感嘆しました。「刺青」「痴人の愛」も必ず見ようと決意。
