卍 まんじの作品情報・感想・評価

「卍 まんじ」に投稿された感想・評価

tak

takの感想・評価

3.6
谷崎潤一郎の原作に最近手を出した。今までいろんな映像作品があったけど、ビジュアルにばかり気を取られて純粋に物語を味わう心の余裕がなくて。ちゃんと原作を読んでみたくなったのでした。全編、園子が「先生」と呼ばれる人物に告白する形式で語られる物語。読み始めた時、大阪弁を文章で延々と読むなんて無理!と思ったが、情緒的な大阪弁だから、そのひと言ひと言に込められた熱情やら愛情やら複雑な思いが垣間見える気がして、意外にもすんなり読めた方だと思う。

その原作を新藤兼人の脚本で増村保造が撮ったのが本作。90分の尺によくぞ収めた。間延びせず、原作を損なわず、飽きさせることはなかった。この映画はヒロイン二人のキャスティングが絶妙なのだ。岸田今日子のネチッこい喋り。光子に夢中になっていく園子の抑えられない気持ちの切実さが、観ているこっちにも伝わってくる。
「あんたぁ、綺麗な体しててんなぁ」
その震えるような響き。一方、若尾文子演ずる光子の小悪魔(他にうまい表現が思いつかない)振りがどんどんエスカレートする様子がたまらない。

園子は光子に疑念や困った様子を見せながらも、どんどん光子のペースに引きずられていく。そして園子の夫も光子の魅力に屈してしまう。いつしか光子に服従するような不思議な三角関係になっていく。ベッドに横になる二人に光子が睡眠薬を飲ませる場面なんて、絵面はもはやコントのようで船越英二の軽さも加わって何故か笑いを誘われる。原作では直接的な表現はほぼなく、活字の向こうで何が起こっているのか、どんなことをしているのか、想像を激しくかきたてられた。それだけに映画作家たちもイマジネーションを駆り立てられて、何度も映像化されるのだろう。同じ増村保造監督作「妻は告白する」の若尾文子も鬼気迫ってすごかったけど、「卍」の光子役には観客の僕らにも抗えない魅力がある。

谷崎潤一郎が描く偏った愛情の果ては、「春琴抄」や「痴人の愛」にしても、この「卍」にしてもまさに色恋の先にある奴隷的な服従だ。「恋の奴隷」って歌謡曲があるが、この増村保造監督版「卍」を観て、恋の奴隷になるってこういうことなのかと、この歳になって思い知らされた気がする。やっぱり文豪はすげえや。

Vシネマ時代に製作された、真弓倫子と坂上香織共演の「卍」も個人的には好き♡(DVD化切望)。
malu

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4.0
谷崎潤一郎好きだし。若尾文子様好きだし。 たまらん。
若尾文子様に翻弄される男と女の変態映画でございます。
若尾文子の説得力
殺されるんじゃないかと語る船越英二の嬉しそうな顔が谷崎潤一郎感ビンビンでいいです。
hepcat

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若尾文子をね写真で見てもとても可愛いなとは思ったことがないんだけど(生意気)
映像で見ると飛び抜けて可愛い!!

モデルさんは一枚の写真を綺麗に見せる力はあるかもしれないけど、本物の役者は動いてる時に綺麗だったり、色気だったりを持ってるから驚いた

クレイジー!
4角関係

途中睡眠薬飲んだ時くらいから意味がわからなくなった
ドロドロしすぎて、まだ若い俺は困った笑
増村にしては中盤(若尾と岸田の初めての情事以降)でテンションが落ちるのが惜しい。
船越英二が若尾文子に籠絡されて全員幽鬼のようになってからは面白さが戻るが。

ぎゅうぎゅうに詰められた画面の圧迫感と若尾・岸田両者の熱演がすごい。
トイレでの二人の出会いの表情の作りには感動する。
PANDADA

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3.0
原作は谷崎潤一郎の小説。

上流階級の婦人、垣内園子は絵画教室のお題である官能像を仲の良い友人の徳光光子に似せて描くが、そのことから同性愛を疑われる。そんな噂を全く気にせず仲が深まった園子と光子はついに一線を超えてしまうが、それは複雑化に絡み合う人間模様への入り口であった、、、的なお話。

だいぶ古い作品ですけど、耽美でおどろおどろしく完成されています。

若尾文子演じる光子の魔性が光っていて、おどろおどろしさに拍車をかけています。

また、園子を演じる岸田今日子も群を抜いて素晴らしく、光子に逆らえない奔放なセレブ女性を巧みに演じつつもどこかに狂気を潜ませたかのような語り口もまた素晴らしい。

何度も映画化されているのが納得のストーリーも淡々とテンポよく進んでいき、わかりやすいですね。

古き良き名作映画かと思います。
赤鬼

赤鬼の感想・評価

3.7
マイミューズの若尾文子ではありますが、今作ではもう女神は女神でもただの美しい女では決して無く、最後まで見た後には只々自分の精気までも吸い取られたような気分になりました。兎に角凄まじい。
ketcon

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3.8
https://filmarks.com/people/143539
田

田の感想・評価

4.2
グリーンのドレス、水色に銀の模様の帯、中華料理屋、赤いフィルムの薬包紙とかなり脳にギンギンきた
甘味

甘味の感想・評価

4.4
大好き。むちゃんこおもろい。最高。
普段なら許せないキャストのなんちゃって大阪弁が逆に愛しく感じるなんて。うちこんなん初めて。皆んなめっちゃカワイイやん。
岸田今日子の良さは勿論なんやけども、本作の若尾文子様は相当ヤバかった。まぁ〜怖いぐらい美しい。役として説得力があり過ぎる。
魅力の虜囚になるってのは、まさにこういう事を言うんやな…わしも愛の奴隷にされたい…嗚呼…まじ卍…(←言いたいだけ)

増村の谷崎原作もの、どれも良さげやなー。刺青と痴人の愛も観るの楽しみ。
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