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卍 まんじのsummeriのレビュー・感想・評価

卍 まんじ(1964年製作の映画)
3.9
卍は冒頭からやや現実離れした展開に笑えてくる。印象的なのは回想シーンの若尾文子の裸を見るシーン。とてつもなく白い。雪のような白さが印象的。でもあのキャラクターから見たらそれぐらいの強烈な美しさがあったんだろと。つまり、回想シーン(通常は客観的で主観的でない映像だと皆思わされる)が主観的なイメージと混じり合ったような映像に見せているように感じられた。後半はもう何がなんだかの展開なんだけど、若尾文子演じるキャラクターがその出来事を映画の中での現実たらしめていて、見終わると観客の心もひとりの人間に支配されていたような気持ちになるのが不思議だし「妻の告白」もそうだった。ものすごい喋ってドラマは展開されるのに不思議と分からなく終わる。組み立てて崩壊させるような映画。
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