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卍 まんじのShoseiHのレビュー・感想・評価

卍 まんじ(1964年製作の映画)
4.2
谷崎潤一郎の同名小説の映画版

愛憎入り混じる同性と異性の不倫の末に最終的に行き着いた、園子と孝太郎の夫婦が他人の妻である光子を崇め慕う奇妙な三角関係の中で、声と表情でひしひしと洗脳されているかのような狂気に満ちた愛情、愛欲が伝わってきて良かった。
固定された画面の中でクロースアップショットで表情を崩しながら「先生」に訴える場面が感情の機微がじわじわ伝わってくる感じで好きだった。
世間に見せる顔がなくなった後にあの世での再会を約束して心中するというシチュエーションは個人的に大好き。
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