ラーメンマン

イヴ・サンローランのラーメンマンのレビュー・感想・評価

イヴ・サンローラン(2014年製作の映画)
5.0
サンローランの初公式映画ということで、多分衣装提供をしているのでしょう、コレクションのシーンは華やかで素敵でした。フランス映画らしいフランス映画ですね。伝記映画と呼ぶには、サンローランの人生があまりに映画的すぎて、まるでフィクションを見ているのではないか、と錯覚に陥りました。天才にしかわからない苦悩と、美的センスを持ち合わせているからこその同性への愛や、女性への親愛と憧れ、見ている人で理解できる人はとても少ないでしょう。私も全く理解できませんでした。ただ作中にあるとあるセリフに私は心打たれました。
「彼を愛しているけれど、生涯を共にするのは君だ」
あまりに打算的で、あまりに愚かしいこのセリフが、私はやはり理解はできず、けれども生涯を共にした彼らが大変愛おしく感じたのです。私にとって大切な1本の煌びやかで愚かしい映画です。