この映画は孤独な映画でも悲哀の映画でもない。愛の映画である。
若い、若くない、映画の表現には関係ないことである。と思う。生きていた中でどれほどの感情や想い、景色を取り零さずにいたか、ということに尽きると思う。何十年生きてたってそれができない人がいるし、井樫監督のように22歳でできるという人もいる。要は生き方だと思う。
監督はきっとたくさんの想いを胸に生きてきて、それを映画にしか表現できる方法がなくて、ただそれだけだったのだと思う。それが私は何にも代え難いことだと思う。素晴らしいことだ。
この映画は監督が何も取り零さず生きてきた結晶だ。