『ハウスオブグッチ』を観て、先日、『ココアヴァンシャネル』観たからには、これを観ないわけにはいかないだろう、と。
『イヴサンローラン』。
これまた世界屈指のハイブランドがその名を轟かすまでに至った光と影を描く。
イヴサンローランを演じるのはピエールニネ。
彼の作品、今まであまり観たことなかったけど、スッとした出立ちに独特の雰囲気があって個性があって良い。
特にハイブランドになるような独自性と唯一無二に突き詰めていく孤高の感性と
常にグラグラする綱の上をソロリソロリと歩いてその均衡を必死で保ってアイデンティティを見つけ、針の穴を通すように活路を見出し、“ファッション”という曖昧な概念の中で自分を探す。
“モードの天才”。
彼の見出した道で彼は成功を収めるものの、それを継続して成功し続けることの難しさ。
しかし、その“道”は彼にしか進めないと思える彼だけの世界、彼だけが見出せる道を感じる。
同性愛者という当時は今ほど寛容ではない嗜好も持ち合わせて、自分の中だけでも複雑に絡み合う内面性や葛藤がある。
それがある時はチャンスを呼び込んで栄光を掴み取ることもあれば、心が破綻して失敗や挫折となったり。
彼の心がそうさせるのか、そうなったから彼の心が動くのか。
常に自分の存在価値の証明を問われ続けるかのようなこの業界で心をすり減らす。
しかし、それと同時に自分の居場所はここしかないと言わんばかりに没頭もしていく。
なんとなくヒットを極めたミュージシャンの苦難の道に近い印象を受けた。
もはや“その領域”では簡単に共感し合える仲間はおらず、苦悩を分かち合える人もそう多くはない。
それでも、彼が50年もの間、その世界の最前線で粉骨砕身したそのルーツとベースがここで垣間見れるかのような。
音楽も、ちょっとしたシーンも、ハイブランドの映画らしくめちゃくちゃオシャレ。
ファッションショーの華やかさの中に、人間臭さも滲み出ている。
“ファッション”とは何か。
まさに流行り廃りの繰り返しの中で生き続ける男の栄光と苦難の物語。
※24年3月、映画オススメブログ、始めました。
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『matchypotterと映画の秘宝』
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作品単発のレビューはここでやっているので、こちらは企画記事メインに挑戦したいと思います。
皆さん、時間がある時にでも見に来てください。
(まだ始めたばかりでお粗末が過ぎるブログですが)
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